ヒーローは嫌いじゃないよ ページ19
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「あ、オイ上！！」
と言う爆豪くんの声が聞こえたが、もう遅い。
オールマイトは、足がすくんで動けないあたしの腕を引いて頭を庇うように守ってくれた。
あたしが衝撃に備えようとキュッと目を瞑ると、次の瞬間飛び込んできたのは緑色のコスチュームを纏った人物。
緑谷くん…。
彼はコンクリートを蹴り飛ばして粉砕した。
救かったと同時に腰が抜けて、そのまま地面にペタンと座り込むと
「大丈夫でしたか！？
オールマイト、志村さん！」
と彼はあたしに手を差し伸べてくれた。
まただ…。
あたしはまた、ヒーローに救けられてる。
オールマイトはあたしを守ってくれた。
緑谷くんはあたしを救けてくれた。
Aは「ヒーローは嫌いだろう？」って聞いたけど
やっぱりあたしは…ヒーローが嫌いじゃないよ。
「うん、救けてくれてありがとう！」
とあたしが緑谷くんの手を握って立ち上がると
「無事で良かった！」
と笑顔が返ってきた。
「オールマイト、志村も…危ないんであまり近寄らな
いように。」
と相澤さんに注意されたオールマイトは
「いや、失敬！」
と謝った。
「心配かけてごめんなさい。」
とあたしも慌てて謝る。
「爆豪少年！
すまなかった！」
と爆豪くんを見上げて謝るオールマイト。
「ケッ…。
気ぃ付けろやオールマイト、敵女！！」
と答えて爆豪くんは訓練を再開した。
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そして訓練の日々は流れ、ヒーロー仮免許取得試験の当日を迎えた。
あれからAと干渉する事は一度も無く、あたしの右腕はすっかり良くなった。
今日は雄英敷地外なので首のチョーカーは着けていない。
根津校長にも、相澤さんと一緒に行動するようにと言われている。
「降りろ、到着だ！」
とバスが試験会場に到着すると、相澤さんは生徒たちに声をかけた。
試験会場は、国立多古場競技場。
みんなは緊張してソワソワしている。
「この試験に合格し、仮免許を取得出来ればおまえら
タマゴは晴れてヒヨッ子…。
セミプロへと孵化できる。
頑張ってこい！」
と言う相澤さん。
「っしゃぁ、なってやろうぜ！
ヒヨッ子によぉ！！」
「いつもの、一発決めて行こーぜ！」
と円陣を組んだみんなは
「「「せーのっ"Plus…Ultraー！！」」」
と掛け声をかけたが、そこに他校生が混ざって来た。
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作者名：九音 | 作成日時：2021年3月3日 23時
