君と今日も明日も2 (ページ18)

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右腕の包帯ページ18

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もうAの気配は感じなかった。
彼女はまたあたしの中で眠っているようだ。

リカバリーガールに治癒してもらったおかげで、腕の凍傷は殆ど良くなった。

念の為にと再び包帯を巻かれたが、痛みは全く無かった。

リカバリーガールの連絡で、様子を見に来てくれた相澤さんが

「昨日、一体何があった？」

とあたしに聞いたので

「…夢の中で、彼女と話をしたんです…。
　そんな事初めてだった。

　けど、チョーカーの音で目を覚ましたら個性が暴走
　していて。
　制御の仕方がわからなかったです。

　けど、あれは間違いなく彼女の…死柄木Aの個
　性でした。」

と説明した。

相澤さんは少し思案した後に

「そうか…。
　まぁ、無事で良かったよ。」

と返事をした。

昨日のあれがなんだったのか、あたし自身もよくわかっていない。

彼女と会話をするなんて初めての事だった…。
2人が目覚めているという状況自体初めてだ。

けど彼女から伝わってきたのは明確な殺意。
あたしの言葉は全く彼女に届いていなかった。

「今日も昨日と同じくTDLで訓練だが…来られそう
　か？」

と訊ねた相澤さんに

「はい、大丈夫です。」

とあたしは答えた。

これ以上相澤さんに迷惑をかけたくなかった。

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いつもと同じように相澤さんと教室へ向かって席についた。

みんなは、あたしの包帯が巻かれた右腕を見て不思議そうな顔をしていた。

体育館の隅で生徒たちの訓練を見つめていると

「進捗どうだい、相澤くん！」

とオールマイトがやって来た。

「また来たんですか…。
　ボチボチですよ。
　ようやくスタイルを定め始めた者もいれば、既に複
　数の技を修得しようとしている者もいます。」

と答える相澤さん。

オールマイトはあたしに気がつくと

「右腕は大丈夫かい？」

と包帯の巻かれたあたしの右腕を指差した。

「リカバリーガールのおかげで痛みはないです。
　ちょっと大袈裟に包帯巻かれてますけど、全然大丈
　夫ですよ！」

と答えると同時に分厚いコンクリートの壁を撃ち抜く爆音が響いた。

音の出所は爆豪くんだ。

「爆豪少年は相変わらずセンスが突出している…。」

と言うオールマイト。

しかし次の瞬間、不安定だったコンクリートが崩れてきて、オールマイトとあたしの頭上へと落下してくるのが目に入った。