君と今日も明日も2 (ページ17)

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暴走する氷結ページ17

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『黙って聞いてりゃ偉っそうに…。
　おまえがオレの何を知ってる？
　自分の個性も理解できてねぇおまえに何ができる？

　オレは変わらねーよ！
　これからも弔と一緒に生きてく為に戦うし、他人が
　どうなろうが関係ない。

　おまえの偽善者ぶった価値観をオレに押し付けん
　な！』

と彼女があたしの右腕を掴んだ。

その瞬間腕全体を氷が覆う。

冷たくて痛い。
体温を奪われていくのがわかる。

「あたしはあなたを救けたい…！
　ただそれだけなの！
　無理して罪を重ねる必要はないんだよ…。

　だから、やめてAっ！！」

とあたしが叫ぶと

『うるさいっ！！
　足枷のおまえは消えて失くなれ！
　オレは弔が大事なんだ！

　おまえが消えればオレはオレでいられる。
　だからおまえは必要ないっ！』

とAは怒りを込めた瞳であたしを見つめる。

身体全体を覆うように氷が侵食してくる。

もうダメだ…そう思った時、あたしの首に装着されたチョーカーが警戒音を鳴らした。

その音であたしの意識は一気に浮上する。
目を開けると、いつもの天井。

Aの姿はもうない。

けど、一つの異常。

未だ鳴り響く警戒音と、右腕から溢れ出す冷気。

腕全体を覆う氷は冷たさを増してあたしに牙を剥く。

冷たい。
痛い。
制御できない。

あたしはこの個性の使い方を知らない。

「嫌っ！？
　やだっ、止まって！
　お願い…Aっ！！」

とあたしが叫ぶと部屋の扉が開いた。

「志村っ、どうした！？」

と部屋に入ってきた相澤さんに向かって

「わかんない…です！
　けど…制御できない…。
　お願いしますっ…抹消を！！」

とあたしが必死に叫ぶと相澤さんの瞳があたしを見つめて赤く光った。

その瞬間溢れ出していた冷気は一瞬で消えた。

けど、右腕の感覚なんてとっくに無くなっていて痛みすら感じなかった。

そして、あたしは意識を手放した。

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翌日、目を覚ましたあたしが眠っていたのは自分の部屋だった。

あたしの右腕には包帯が巻かれている。

あの時無かった感覚も、今はある。

「おや、目が覚めたかい？
　あんたの右腕、酷い凍傷だったんだよ。
　目が覚めたんなら少し治癒しようかね。」

と扉を開いて入って来たおばあさん。

彼女の情報は資料で見ていた。

確か…看護教諭の"リカバリーガール"だ。