君と今日も明日も2 (ページ14)

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堂々と胸を張ってページ14

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翌日の朝、あたしは相澤さんと一緒に教室へと向かった。

まだ夏休み中という事で学校内に登校している生徒は少ない。

あたしが教室の扉を開けると、それまで賑やかだったクラスは一瞬でシンと静まり返った。

あたしの席は教室の一番後ろだ。
4列ある席の真ん中、教卓から一番見易い位置にある。

名前がわからないと不便だろう…と相澤さんは生徒と教師の写真と名前が載った資料を事前に渡してくれた。

2列目一番後ろの砂糖くんと、3列目一番後ろの轟くんは背後をとられて気が気じゃないだろうな…と思いながら席につく。

いくら死柄木Aとは違う人物だと言われても、敵は敵だ。
あたしは畏怖の対象であり、平和を脅かす存在でしかないんだ。

「昨日話した通り、まずは"仮免"取得が当面の目標
　だ。」

と相澤さんが話し始めると

「「「はい！」」」

と生徒たちは返事をした。

「ヒーロー免許ってのは人命に直接関わる責任重大な
　資格だ。
　当然、取得の為の試験はとても厳しい。
　仮免といえど、その合格率は例年5割を切る。」

と説明する相澤さんに

「仮免でそんなキツイのかよ！」

と男子生徒が反応する。

彼は峰田くん。

「そこで今日から君らには一人最低でも二つ…」

「「「必殺技を作ってもらう！！」」」

と教室に3人の教師が入ってきた。

ミッドナイト、エクトプラズム、セメントス…と資料を見ながら確認した。

「「「ヒーローっぽいのキタァア！！」」」

と生徒たちは大喜びだ。

「必殺！
　コレスナワチ必勝ノ型・技ノコトナリ！」

「その身に染みつかせた技・型は、他の追随を許さな
　い。
　戦闘とは、いかに自分の得意を押しつけるか！」

「技は己を象徴する！
　今日日、必殺技を持たないプロヒーローなど絶滅危
　惧種よ！」

と各々説明をするエクトプラズム、セメントス、ミッドナイト。

「詳しい話は実演を交え合理的に行いたい。
　コスチュームに着替え、体育館γへ集合だ。

　志村はそのまま俺についてこい。」

と相澤さんはあたしを手招きした。

初めて会う教師3人はあたしをジッと見つめている。

「あなたが志村燈さんね？
　事情は聞いているわ。

　不安はたくさんあると思うけど、ここにあなたを拒
　絶する人はいない。
　悪い事をしていないのなら、堂々と胸を張っていな
　さい！」

とあたしに声をかけるミッドナイト。

拒絶する人はいない…。
その言葉に鼻の奥がツンとした。