僕のだから ページ19
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女子会が始まって1時間程経った頃、食堂へ緑谷くんが姿を見せた。
「緑谷くん！」
と私が呼ぶとみんなも彼の方へと視線を向けた。
「みんな、ごめん…。
やっぱり星宮さんを返して！」
と言うと、緑谷くんは私の手を掴んだ。
「えっ、ちょっと緑谷！」
「まだ女子会終わってないよ！」
と声をあげた三奈ちゃんと透ちゃんが緑谷くんの行く手を阻む。
「ごめん！
でもっ、星宮さんは…僕のだからっ！！」
と言う緑谷くん。
顔を赤くして言う緑谷くんの熱が移ったように、私の頬も熱くなる。
「三奈ちゃん、透ちゃん！
今回は緑谷ちゃんに譲ってあげましょう。」
「そうですわね。
女子会はいつでもできますわ！」
という梅雨ちゃんとヤオモモちゃんの言葉で渋々諦めた2人は緑谷くんに道を譲った。
緑谷くんは「ごめんね」とみんなに謝ると、掴んでいた私の手を握り直してから自分の部屋へと向かった。
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部屋に入るなり緑谷くんは
「ごめん！
あんな無理矢理っ！」
と私に謝った。
確かにみんなの前で恥ずかしかった…。
それでも
『ごめん！
でもっ、星宮さんは…僕のだからっ！！』
あの言葉は嬉しかった。
「ううん、大丈夫。
私…嬉しかったから！」
と私が頬を染めて笑顔で答えると
「なら…良かったぁ…。」
と緑谷くんは安心したように溜息をついた。
そしてギュッと私を抱きしめてから言葉を続けた。
「あのね…。
僕にとって星宮さんは特別な女の子なんだ。
だから…
"Aちゃん"
って呼んでもいい？
僕のことも"出久"って呼んで欲しい…。」
名前…。
『折角の恋人たちのクリスマスなのに、何も進展しな
くていいの？』
『じゃぁ、お互い名前で呼び合ってみるっていうのは
どうかしら？』
と言う三奈ちゃんと梅雨ちゃんの言葉を思い出した。
「い…出久くん…？」
と小さな声で名前を呼ぶと
「ありがとう…Aちゃん。」
と出久くんは抱きしめる力を少し強くした。
そして私を解放した出久くんの顔は真っ赤で、私の顔も真っ赤で2人でどちらからともなく笑った。
恋人らしい事…。
ほんの少しの勇気で、もっと出久くんに近づけたような気がしてとても嬉しかった。
その気持ちを伝えたくて
「私ね…出久くんが大好きだよ！」
と言うと
「僕も…！」
と返事が返ってきた。
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九音(プロフ) - ルルさん» ルルさん、コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！ここまで読んで下さって、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました！ (2021年2月18日 0時) (
レス) id: ba7cd0b894 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 面白い小説を有難うございました。終わってしまうのが惜しいですが、完結おめでとうございます。 (2021年2月18日 0時) (レス) id: f019f9d1e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九音 | 作成日時：2021年2月12日 21時
