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勇者の存在意義と少女 ページ4

僕が勇者イレブンとして生まれてきてしまったが故に、父も母も亡命してしまった。

それに、イシの村までぐちゃぐちゃだ。悪魔の子って追いかけられて、地下に閉じ込められて、僕はどうして産まれてきたんだろう。と、そう自問自答すらした。………それに、



「覚悟!!」



__崖から落ちた僕達を回りこみしてきたグレイグによって、今まさに彼女は生死の淵に立たされている。僕が飛び出して助かる距離でもなければ、マルティナも迫り来る馬への恐怖へか、ぴくりとも動けないでいる。



「マ、マルティナっ!!」



あぁ、マルティナ。
勇者として生まれてきた僕を許して。


そんなことを思った__刹那。
急に辺りに強い風が立ち込め、僕だけでなくグレイグ将軍も目を瞑ったのだと思う。目をそっと開けた次の瞬間には、地面に横たわるグレイグと、二本の剣を携えた少女の後ろ姿があった。



「おとなしく降参するといいよ」



謎の少女がそうグレイグに言い放つと、
グレイグはやっぱり忠誠心の強い男で、



「貴様は誰だ!主君の命令は絶対だ!」



主君への忠誠心を見せつけるように、
熱い瞳を揺らめかせた。



「……勇者さまを捕まえようとするのはこの腕かな?勇者さまを悪魔の子と呼ぶのはこの口かな?」



少女はグレイグにゆっくり、しかし着実に歩み寄り、叩くかと思いきや…そっと彼の耳を撫でた。



「私の忠告が聞こえないのは……この耳かな?」



少女は僕達の方を振り返り、手で馬に乗れ、と合図した。もう何が起こったかわからないけど、とにかく今は逃げ切るために必死だった。









'









'








「貴様まで悪魔の子を庇うのか…」



目の前の男はグレイグといったかなぁ。
グレイグはゆらゆらと立ち上がり、こちらにめがけて思いっきり剣を振ってきた。でも、私はなんなく彼の剣を受け止めてみせた。



「な、なっ…」



「私はA…」



千剣の姫とでも言えばいいのかな、と付け足すと、グレイグは眉間にシワを寄せた。うぅ……かっこよく登場したのはいいものの、めちゃんこおっかないよぉ…!



「封印が…?」



私は声のかわりにこくりと頷いた。



「………そうか。A様、先ほどのご無礼をお許しください。我が主君より、A様の封印がとけた暁には大事に連れてくるよう言われておりま…あっ」



相変わらず極悪面のグレイグを尻目に、私は勇者さまを追いかけることにした。不思議と、彼は私の後を追ってこなかった。

立ち聞きだなんて→←被虐癖持ちの彼女の設定。



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リリィ - 続き気になります。続編をどうかお願いします! (2019年1月11日 20時) (レス) id: 401a5e74b1 (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(。ーωー。)(プロフ) - パイソンさん» うんっ…!!お婆ちゃんになっても!ずっと待ってる…!!← (2017年8月26日 15時) (レス) id: f3a61665cb (このIDを非表示/違反報告)
パイソン(プロフ) - ンもう、そうやってテンション上げさせるんだから。w待っててくだせえww (2017年8月26日 15時) (レス) id: dee72be6ca (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(。ーωー。)(プロフ) - パイソンさん» やだもうそんなこと言って上手いw期待して待ってるww (2017年8月26日 15時) (レス) id: f3a61665cb (このIDを非表示/違反報告)
パイソン(プロフ) - お世辞などではありませぬ。そんなことないですよ…ドがつくほどの下手っぴですw (2017年8月26日 15時) (レス) id: dee72be6ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あいにゃん(。ーωー。) | 作成日時:2017年8月21日 18時

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