置いていった理由 ページ19
うーーん……うーん……
ロミアとキナイのお話をカミュから詳しく教えてもらってるんだけど、こんな展開って悲しすぎるよ…!
「…で、二人は結局会えず終いになっちまったってわけさ」
「へぇ、勇者さまは人魚さんに真実を話したんだね」
淡い月夜に照らされるカミュは、なんだかとっても綺麗に見えた。うふふ、男の子なのに綺麗に見えるっておかしいかな?でも、よく見ればすっごい整った顔してるんだよなぁ……
私が無意識にその頬に左手を伸ばすと、パシっとキャッチアンドリリースされてしまった。そして、今度はカミュが私を強引に引き寄せた。
「あぁ、あいつ自身が一番迷っちゃってな。でも、あいつなりにあの人魚を気遣って、ずっと一人で待たせているのはあまりにも辛いとでも思ったんだろうな」
生きるには支えが必要。
たとえそれがどんな形であろうとも……。
私はなんとなく、ロミアが本当に幸せになれる手段はどうしてもなかったんだろうな…と思った。長い時間は選択肢をことごとく削ってしまう。
カミュは私の頬をぶにっとつねったあと、さらに話を続けた。
「そういえば、お前に深い眠りの呪文をかけさせてもらった。起きたら誰もいなくてびっくりしただろ?」
……いやいや、犯人は君かーーっ!!
こっこれはひどいよ!タンスの中とか植木鉢の下とかまで、隅々まで探索したんだよっ!!
「お前のこと最後に迎えにいくつもりだった」
「うん?王子様かな?どーゆーこと…」と首を傾げてみれば、カミュは目線を斜めにずらした。
「シルビアとお前がいつまで経っても起きないから起こそうとしたんだが、お前がやけに
少し目線を泳がせて、もう一度私と目線を合わせた。カミュいわく、朝早く起きていたらしいシルビアさんは私のことをとても心配してくれていたのだという。しかもしかも、カミュも心配してくれたんだってっ。
「まぁようするに、俺がお前のことを心配してやったんだよ」
そうはにかみながら頬を高潮させた目の前の男の子は、私にとっての大切な大切なお友達。
勇者さまが冒険を終えたとき、
この人は無事でいてくれるのかなぁ?
でも、勇者の誕生とともに誰かが苦しみに溺れるのは必然なんだと思う。……平和の、代償。そんなことなら私が犠牲になってあげるのに。
淡い月明かりはあの人の優しさに似ている。
ふと、私は過去のことを思い出していた。
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リリィ - 続き気になります。続編をどうかお願いします! (2019年1月11日 20時) (レス) id: 401a5e74b1 (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(。ーωー。)(プロフ) - パイソンさん» うんっ…!!お婆ちゃんになっても!ずっと待ってる…!!← (2017年8月26日 15時) (レス) id: f3a61665cb (このIDを非表示/違反報告)
パイソン(プロフ) - ンもう、そうやってテンション上げさせるんだから。w待っててくだせえww (2017年8月26日 15時) (レス) id: dee72be6ca (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(。ーωー。)(プロフ) - パイソンさん» やだもうそんなこと言って上手いw期待して待ってるww (2017年8月26日 15時) (レス) id: f3a61665cb (このIDを非表示/違反報告)
パイソン(プロフ) - お世辞などではありませぬ。そんなことないですよ…ドがつくほどの下手っぴですw (2017年8月26日 15時) (レス) id: dee72be6ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいにゃん(。ーωー。) | 作成日時:2017年8月21日 18時