愛故のとまとじゅーす(再) ページ3
「まぁまぁ、落ち着いて聞いてくれたまえよ!」
「落ち着いて聞いてられるわけねーだろ!!!!」
「ひぐぅ!?」
カミュは私の両肩を力任せに掴み、鬼の形相で私を睨んでいる。
「てめーのせいでな!俺は!恥ずかしい思いをしたんだよ!!」
カミュが勝手に勘違いしただけのくせに…っ!
私は断じて悪くない、こいつが悪いっ。
「お前今俺が悪いって思っただろ」
「ん?まぁ…うん!思ったよ」
「たしかに早とちりした俺が悪い。だけど俺はその恥ずかしさをお前にぶつける」
「はぁ!?そんなのただの八つ当たりだろ!」
わーわーぎゃーぎゃー。
私達はみんなが見ている中で喧嘩している。
「こらこら、カミュちゃんのカリオストロへの愛はわかったからちょっと静かに……」
「あぁん!!?こんな奴好きじゃねぇよ!」
今度は私の頭を挟んでシルビアとカミュの口論が始まった。カミュはあの事件以来顔が真っ赤だ。
…え?さっき私達の間で何があったかって?
それはね、遡ること10分前の話……
'
'
'
'
「やあカリオストロ!トマトジュース作ったんだけど飲む?」
「あわぁ!!?……ね、イレブン。扉は突き破るものじゃなくて、ノックするものなんだよ」
少しおっとりした彼は、仮にもロトゼタシアの勇者様。仮にもって言うのは、民家に入ってツボを割りまくったりタンスを開けてステテコパンツを勝手に持ってきたりしているんだよ。
…いや、よく考えてみよう?
そのステテコパンツ誰のだよ?
「あはは!…で、試飲してほしいなと思ってね」
「もちろんさ!」
私はイレブンから手渡されたグラスを受け取り、そっと口をつけた。この子の作るものなんだからきっと美味しいに違いないだろうと思い、期待して一気に半分くらい飲ん………
「きさまぁ…なにを…入れた……」
「トマトだけど?あっそういえば近くに置いてあった赤い粉も入れておいたよ!タバスコって言う体にいい粉末なんだって!」
「ぅ…ま……」
「ん、美味しい?飲んでくれてありがとう!!今からベロニカとセーニャに渡してくるからじゃあね!」
違う。"ぅ…ま……まずぃ…"って言おうとして、丁度"うまい"って聞こえる位置で君が早とちりしただけだ。
でも、体に良かれと思ってわざわざ作ってくれたものを残すのには勇気がいる。
30人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リトヴァ - ベロニカのセリフ試してみたら思った以上に苦しかったwきっとベロニカはもっと声量上げて言ってるんだろうと思うとたしかに肺活量やばいwトマトジュース誰かに試してみたいなあwおもしろいです! (2018年7月16日 13時) (レス) id: 88c9ddb21c (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち - 凄い面白いです!笑いが止まりません!脱毛剤w (2017年9月17日 10時) (レス) id: 251ccf0880 (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(。ーωー。)(プロフ) - 哀流さん» 驚異の肺活量wwwあなたが神でしたか (2017年8月25日 14時) (レス) id: f3a61665cb (このIDを非表示/違反報告)
哀流 - 聞いて下さい作者さんベロニカの台詞言えました! (2017年8月25日 14時) (レス) id: d50254bc2e (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(。ーωー。)(プロフ) - プッチンプリンさん» 光栄ですっ。・ω・)! (2017年8月20日 18時) (レス) id: f3a61665cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あいにゃん(。ーωー。) | 作成日時:2017年8月13日 23時