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憂鬱 ページ4

今日は、コルヴォさんの機嫌が悪い。
他の団員とは、普通に話しているのに俺とは何故かあちらが避ける様にして話す機会がなくなる。
何かしてしまったのだろうか。
思い当たりは......ない。

「コルヴォさん」
「公演の準備があって忙しい。今日は一緒じゃなくて単体のパフォーマンスだから」

単体の、パフォーマンス。
コルヴォさんは俺の事を嫌いになってしまったのだろうか。だからもう一緒にパフォーマンスする事も、話すことさえも嫌になってしまったのだろうか。

憂鬱な気分でキースは1人で準備を始めた。

公演中も複雑な気分でいつもより荒っぽい演技になってしまったし、 握り潰す力加減を間違えて、潰したものの破片が深く手に刺さった。
お客さんの子供が泣いてしまったし。
散々だった。

「クィンさん!」

そんなこんなで公演後。
昨日の少女がまた来ていた。
それに昨日とは違う顔ぶれが。
女性が3人、男性が2人。結構多人数だった。

「大丈夫ですか? あの......怪我してたので」
「ああ、ちょっと失敗してしまったんだ」

手当てはしていない。
一応刺さった破片は抜いておいたし傷がついても大丈夫だ。

「良かったら......」

少女はそういうと、小さなポシェットから包帯などを取り出してあっという間に手当てしてしまった。

「ありがとう」
「クィンさんの手、大きいですね」
「そうか?」
「全部大きいからな」

横から、男の人が笑いながらそう言った。
その男は、キースの力に驚きその秘訣を聞きに来たそうだ。
他の人達も何人かは花束を渡してくれたり、パフォーマンスに対してコメントもしてくれたりした。

「いつものペアはやめたのかい?」
「え? ああ、そうですね」
「フラれたか?」

フラれた。確かにそうなのかもしれない。

「何言ってるんですか、俺と彼はそんな関係じゃ」
「すまねぇな! 別嬪な子が隣に居るのは羨ましくてな」
「あの人っていつも何処にいらっしゃるんですか?」
「コルヴォさんか。いつもは外にいて......」
「あの人カッコ良かったから会いたかったんですけど」

恋人が褒められるのは嬉しい。
その後みんな彼の話をした。
彼の噂で見にくる人も多いそうだ。
老若男女全員が見惚れるとも聞いた。
いつの間にか時間は経ち、皆もボチボチ帰り始めていた。
コルヴォ宛の贈り物も受け取り、そして全員と別れた。

コルヴォに今日こそ渡してあげないと。
そう思い、キースは探し始めた。
そして、彼が案外近くで見ていたことを知る事となる。

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ねこうさぎ(プロフ) - いてくるであります。 (2017年3月28日 22時) (レス) id: 696ce9c626 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - 佐井さん» http://uranai.nosv.org/u.php/novel/nekoneko0187/作りました。見てみてください。あっちのコメント欄で話しましょう! (2017年3月27日 20時) (レス) id: 696ce9c626 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - 佐井さん» では作って来ます。パスワード設定にしておきます。本編と同じにしておきます。 (2017年3月27日 19時) (レス) id: 696ce9c626 (このIDを非表示/違反報告)
佐井(プロフ) - ねこうさぎさん» そうですね、わかりました! (2017年3月27日 19時) (レス) id: 00ba3fe723 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - 佐井さん» 龍と海賊にしませんか? (2017年3月27日 19時) (レス) id: 696ce9c626 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねこうさぎ&佐井 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月24日 22時

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