告白1 ページ12
ある日、一人の青年が、『パンドラ』に襲来した。腰まであるサラサラと音を立てて流れる金の髪と、赤い薔薇のような紅の瞳の青年だ。
「コルヴォ!」
青年はコルヴォを見つけると、叫んだ。公演後、団員と次の公演のことで話していたコルヴォは、苦虫を千匹ぐらい噛み潰して、センブリ茶をがぶ飲みしたような顔をした。
キースには絶対に見せないであろう、物凄い顔。
青年はコルヴォに近づくと、持っていた赤い薔薇の花束を押し付けるように渡した。気障ったらしく、うやうやしく。
「ああ、美しき我が女神よ!貴女は何故、そんなにも美しいのだ!ああ、どうかその美しい右手に、口づけることをお許し下さい!!」
巷の三流ポエマーのようなポエミーな言葉を添えて。そしてコルヴォの右手を無理矢理取ると、キスした。コルヴォはキスされた右手を隣にいた団員の服で思いっ切り拭いた。
「ちょ、団長!!」
と叫ぶ団員のことは無視。
「こんなものを渡されても、困ります。それに、私は貴方の物ではない。」
「ああ!その冷たさがまたいい!やはり貴女は僕、アレックス・ディリーチの妻に相応しい!どうか僕と結婚してくれ!」
「お黙りくださいませんかクソムシ。貴方の声を聞くと私の耳が腐り落ちます。どうかお引き取りくださいませ。」
アレックスの求婚をばっさり切り捨て、書類に目を戻す。取りつく島もないコルヴォの態度に、アレックスは舌打ちする。
そして、コルヴォの手と腰を無理矢理掴み、キスした。その場にいた団員たちが戦慄する。コルヴォはもがいて脱出し、アレックスの頬を平手で打った。
「何をするんですか!!」
「その反応……経験無しか?」
「!!……この恥知らず!!二度と私を訪ねて来るな!」
一人の団員が鉄砲玉のように飛び出した。キースに伝えるために。
しかし、その団員はその判断を後悔することになる。呼んできたキースによって、この修羅場が悪化してしまったからだ。
1人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねこうさぎ(プロフ) - いてくるであります。 (2017年3月28日 22時) (レス) id: 696ce9c626 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - 佐井さん» http://uranai.nosv.org/u.php/novel/nekoneko0187/作りました。見てみてください。あっちのコメント欄で話しましょう! (2017年3月27日 20時) (レス) id: 696ce9c626 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - 佐井さん» では作って来ます。パスワード設定にしておきます。本編と同じにしておきます。 (2017年3月27日 19時) (レス) id: 696ce9c626 (このIDを非表示/違反報告)
佐井(プロフ) - ねこうさぎさん» そうですね、わかりました! (2017年3月27日 19時) (レス) id: 00ba3fe723 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - 佐井さん» 龍と海賊にしませんか? (2017年3月27日 19時) (レス) id: 696ce9c626 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ