出会い4 ページ11
キースがサーカスの一員となった。仲間になったからには、人並み以上の待遇になる。
彼を暖かく柔らかいベッドで寝かせ、新しい服と、公演用の衣装を与えて、ご飯も食べさせた。最初はあまり食べてくれなかったが。
どうやら私達を受け入れてくれたようだ。うれしくてたまらない。
あの日、月光に照らされた彼の黒い瞳を、私は忘れられない。あんな綺麗な目は今まで見た事がない。黒曜石のような、見続けけたら吸い込まれてしまいそうな瞳。
彼と目が合う度に、胸がきゅうん、となって、ほぅ……と恋する乙女のような溜息をこぼしてしまう。我ながら滑稽だ。
「君、名前は?」
優しい声で彼に話しかける。だけど、彼は答えてくれない。やはり、私が彼の主人を殺してしまったからか、彼は口を聞いてくれない。
「君は、言葉を知らないって訳ではなさそうだね。声が出ないわけでも、話し方を知らない訳でも無さそうだしね。どうして話してくれないんだ?」
それからも私は彼に話しかけつづけたが、彼は口を聞いてくれなかった。彼は永遠に、私に答えてくれないのだろうか…
ある日、奇跡は起きた。
「......コルヴォ、さん」
「どうしたんだい? 待て、君今」
「キース......俺の名前、です」
………っ!……ああ!これが恋か!彼が私の名前を呼んでくれた!あああ!胸が、胸がきゅううんって!!ふあああ!!
と、まぁ一人で有頂天になってニヤニヤしていると、名前を呼ばれるより衝撃を受けることが起きた。
「キッ......キース君?」
くぁwせdrftgyふじこlp?!?!?!?!
…………彼に抱きしめられた。ギュッて。ふあああああああ!!なんかもう、イロイロヤバい!彼のことが好きになりすぎてイロイロヤバい!あああいい匂いするし、体逞しいし、カッコイイし、もう、あああああ!!!
「ごめんなさい。つい......」
もう、もう、むりいいいい!!!恥ずかしいいい!!なんてことするんだあああああああ!!うわあああああ!!!
どうしよう、どうしよう!!
世にも美しい猛獣使いの堕天使は、一人の男に恋をした。猛烈に。
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ねこうさぎ(プロフ) - いてくるであります。 (2017年3月28日 22時) (レス) id: 696ce9c626 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - 佐井さん» http://uranai.nosv.org/u.php/novel/nekoneko0187/作りました。見てみてください。あっちのコメント欄で話しましょう! (2017年3月27日 20時) (レス) id: 696ce9c626 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - 佐井さん» では作って来ます。パスワード設定にしておきます。本編と同じにしておきます。 (2017年3月27日 19時) (レス) id: 696ce9c626 (このIDを非表示/違反報告)
佐井(プロフ) - ねこうさぎさん» そうですね、わかりました! (2017年3月27日 19時) (レス) id: 00ba3fe723 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - 佐井さん» 龍と海賊にしませんか? (2017年3月27日 19時) (レス) id: 696ce9c626 (このIDを非表示/違反報告)
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