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「お父さん」
ポスリ、とお父さんの長い脚に抱き着いて見上げる。私と同じ、薄い薫衣草の目。魔性の瞳。
「今日は遊ばないの?」
「……いいだろう、今日は何をする?」
「……テニス」
「じゃあ行こうか」
そう言って私を抱き上げる。スタスタと研究室を後にしたお父さんはこの広い施設を闊歩する。そんなお父さんにすれ違いかける人々は通路の端に移動して頭を下げる。そうしてついた室内のテニスコート。後ろに途中からついてきていた巽さんが私達がテニスをするための準備をする。名も知らない使用人の女性二人もパパッと巽さんの指示で行動する。
「じゃあやろうか白雪」
「はぁい」
ラケットを素振りして調子を整えて合図してからサーブでスタート。リターンからラリーが続く。バシン、バンッと可愛くはない攻撃的過ぎる音付属だが。スピンやスライスで虚を衝くように、当たり前にやり返されるがまたやり返す。それを続けていたら審判を務めていた巽さんがお父さんに時間だと告げる。それにより、私は手持ち無沙汰になる。お父さんを見ると此方においでとばかりに手真似かれてトトトと寄ると正解だったようで頭をぎこちなく撫でられる。
「プレゼントの準備をしてくるよ。僕の書斎と研究室を自由に使って構わない。モルモットもね」
「……じゃあ、工作でもする。義手と義足が前結構良いところ迄出来てるから」
「完成を楽しみにしているよ」
「ん…頑張る」
「じゃあまた明後日迎えに来る」
「行ってらっしゃい」
「あぁ、行ってきます」
去っていく後ろ姿に、「妹」とはどういうものか少しだけ楽しみになった。




「ほら、挨拶しなさい。この子が君の新しい姉だ」
お父さんが抱き上げていた“妹”を降ろして私の前へとやる。写真と違い、長い髪は整えられ後ろで緩く留められている。質の良いワンピースはライムグリーン。濃い紫がアクセントとしてリボンなどで私のものと感じさせる。まるで毒林檎みたい。お父さんが偶々見せてくれたディ○ニーの白雪姫の毒林檎のような色味に単純にそう思った。日本では毒と言えば紫だけど海外では緑なんだよな。あぁ、いけない。今は“妹”の事だった。手を差し出して目を見つめる。

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設定タグ:ブルーロック , 愛され , 逆ハー   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:Coneko | 作成日時:2023年1月30日 2時

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