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「…ん?気づいているか。これ等は君の妹だ。母親は違うけどね」
「本当に“妹”……」
渡されたファイルをパラパラと捲って良い子がいないか探す。すると、一枚のボロボロの女の子が目についた。伸び放題の髪色は私達と同じで目はライムグリーン。若葉のよう、とも言えるが私には、「毒」のようだと思えた。私とお父さんの魔の色と同じようで。仲間意識というのだろうか、それを感じた。だから即決。
「この子がいい」
「それは……確か合歓という名称だったかな」
「この子が私の“妹”に相応しい」
「……そうか、手配しよう」
そう言い巽さんへ命令を下すお父さんは思い付いたように私に尋ねた。将来知るのだが、その日のご飯の献立を訊くような気軽さだった。内容はそんなものではなかったが。
「そうだ、これを期にお前達以外は棄てようと思ってるんだが白雪はどう思う?」
思わず半目になる。私に訊く必要あるか?もうほぼ決めているじゃん。
「……お父さん、事故死が多いと変に思われるよ」
「大丈夫さ、そこは色々するからね」
「なら、いいんじゃない。私的に妹も姉もこれ以上は要らないから居なくなるならそれでいいや」
「大家族は嫌かい?」
「正直今でもお父さんと新しい妹だけで暮らしたい」
そう零すとお父さんは目を瞬かせて
「それは……何だろうか。嬉しい、のかな。でも美穂…であってたか。あれに私は一応買われた身だしね。俺が勝手に離婚は出来ないよ」
「出来ないんじゃなくて面倒なだけでしょ。相手するの。気持ちは判るけど」
パチリ、とお父さんと目が合って二人で溜め息。
「「何であんなに面倒なんだろう…?」」
声も揃って二人で少しだけ笑った。ピーと音が鳴り、私のパラメーターがズラリと更新される。それにより拘束が外れたので椅子から降りる。グーと体を伸ばしてほぐす。
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作者名:Coneko | 作成日時:2023年1月30日 2時