革命の光 3【サボ】 (ページ37)

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少しの和解ページ37

何度か海賊船に遭遇したけど、サボとレイが全て瞬殺してくれて島に着く頃には資金が10億ベリーという途方もない額が船にあった。

これだけあればちょっとやそっとの事があっても大丈夫だろう。

流石貴族達のリゾートというだけあって港も豪華だ。船から見える海は青く透き通っていて美しい。季節は夏で少し蒸し暑いがほどよく冷たい風が吹いていて過ごしやすそうだ。

各自上陸の準備をして甲板に集まる事になった。

私は青を基調とした膝丈のワンピースに動きやすさも考慮した上でのサンダル。日差しが気になるので麦わら帽子を被った。

私が着いたとき甲板にはサボしかいなかった。

しまったと思いつつもこのままではいけないと考え直しサボにゆっくり近づく。

この前一緒に出掛けた時もそうだったが、サボは海を見てるとき雰囲気が違う気がする。

そっと表情を伺っていると、サボがいきなり振り向いた。二人のあっ、という声が重なる。

「待ってくれ！」

私が思わず逃げようとすると手を掴まれる。

「麦わら帽子………？」

『えっ？』

麦わら帽子を凝視して手を掴まれたまま動きを停止するサボに私は疑問を投げ掛ける事しか出来ない。

こういう状況は苦手だ。

手を捻り挙げて逃げるか。いや、コアラには優しくしてあげなよって言われたし駄目か。

「今何かが……。くそっ。」

サボは私の手は以前掴んだまま、反対側の手で頭を押さえている。顔を歪ませて苦しそうだ。

『大丈夫？』

ハンカチで汗を拭いてあげる。まったく私は何をしているんだ。この前まで怒ってたはずなのに。しかもサボは握力強いから手が痛い。

今は人がいないからいいけど、
皆に見られたくないな。