夜と演習問題 ページ15
サボは用意をしていたのか、すぐに正方形のラッピングされた箱を渡してきた。
『何これ。開けて良いの？』
「Aの為に買ったんだから、早く開けて」
Aの為に、この台詞だけを頭でエンドレスで流せる。開ける前から涙が出てきそう。
ラッピングを剥がして、開けてみると美味しそうなマカロンが４つ入っていた。
『可愛い！どこで買ったの？』
「駅前に新しくできた店。」
『そうなの？そんなの出来てたの知らなかった。私も今度お礼に何か用意するね。』
「それは俺からAへのお礼の気持ちなの。だから返されると困るよ。いつもうまい飯食べさせてくれてサンキューな！」
サボから赤面してるであろう顔を隠す。
誰もいなかったら叫んでいるところだろう。
顔色を誤魔化すように私は会話を続ける。
『最近はサボに全然作れてないよ。
でも、私もありがとう。心から嬉しいです。
一生取っておくね。』
「食い物だぞ？出来るだけ早く食べてくれ。」
それもそうだ。何を言ってるのだ私は。
嬉しさでうまく頭が働いてないみたい。
下を向いて貰ったマカロンを見つめていると、サボがいきなり私の首から耳にかけて撫でて、そのまま顎を自分の方に向ける。
収まってきていた熱が再び顔に集まるのが感じられた。
「それとも今度は一生残るものを贈ろうか？」
一瞬。
時が止まるというのはこういうことらしい。
私は今初めて理解した。
鼻先がくっつきそうなほどサボの顔が近付いてきて反射的に顔を背ける。
『こ、れで十分。』
「そうか。」
何とか絞り出した私の答えに
サボは笑いながらそう反応した。
私の戸惑っている様子を察したのか、
悪びれない様子で謝りそっと頭を撫でてくる。
「でも、良かったよ。これ渡せて。
ルフィやエースがいるときだと絶対に渡せないからな。」
何事もなかったようにいつもの声の調子に戻っている。
私はその事が突然変わるサボの雰囲気がほんの少しだけ怖く感じられた。
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(名前)はるか(プロフ) - 最近読みました！設定が面白いと思って読んでいます!!ワンピースの学パロっていうのがもう、最高です！！良かったら、続きも書いて頂きたいです！ずっと楽しみに待ってます！他の作品もこれから見ようと思います！応援してます。 (2021年8月31日 19時) (
レス) id: 8a3e89d9ed (このIDを非表示/違反報告)
ホウ酸(プロフ) - 革命の光も今のところ全て読みました！ねこなんさんのお話読んでたら止まらなくなります！！これからも頑張ってください応援してます！！！ (2020年7月14日 16時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
ねこなん(プロフ) - 長州藩士さん» こちらの作品まで読んで頂けて感謝感激です。応援のお言葉を支えに頑張れます！ありがとうございます！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 5d3f715724 (このIDを非表示/違反報告)
ねこなん(プロフ) - 影夜 樹さん» 私的な趣味で申し訳ないです笑。でも、興味を持っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 5d3f715724 (このIDを非表示/違反報告)
長州藩士(プロフ) - ねこなんさんの作品好きすぎます！！！もえしにます！！！毎回楽しみにしてます！！！ (2020年6月2日 11時) (レス) id: eb0416e90c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこなん | 作成日時：2020年5月14日 15時
