彼等の気になる反応集

短編小説 ※ｼﾞ殺表現あり ページ32

ボカロ「きゅうくらりん」の歌詞を含んだ短編です。歌詞考察の部分や、言葉足らずな所があります……


時計のアラームが鳴く。ただそれを見てた。仕事に行かないといけないのも忘れて

「……跡がなくて良かった」

洗面台の鏡に映る、いつもと変わらない自分の顔を見て安堵の息が出た

昨日は泣いたけど、目も腫れてないし赤くなってない。泣いてるなんてばれたら嫌だから

「おはよう御座います」

『嗚呼、Aちゃんおはよう』

『Aちゃんおはよー!』

事務所に入ると、成歩堂さんと真宵ちゃんが挨拶を返してくれる。二人の距離はいつもと同じで近い

それを見た瞬間、私に張り付いた笑顔と身体が化石になったみたいに動けなくなる

『Aちゃん、この資料なんだけど…』

「あ、はい!」

成歩堂さんに資料の事について話した。もう少し話していたい。けど、真宵ちゃんを見るとそんな気持ちは無くなった

「私、外回り行ってきますね」

『分かった。いってらっしゃい』

『いってらっしゃーい!気を付けてね!!』

真宵ちゃんと成歩堂さんを見ると、自分の居場所なんて無くなったみたい。自分から身を引いているのに


仕事が終わって家に帰った。いつも通り……いつも通り……?私、いつも通り笑えたかな

もう、とにかく寝よう。もう疲れたんだ



「成歩堂さん……私…成歩堂さんの事が好きです……」

『……ありがとう。けど…僕は真宵ちゃんが好きだから』

「……っ!!」


成歩堂さんの胸で泣きながら気持ちを伝えて振られる夢を見た。夢見る事さえ許してくれないらしい

肉体が肉を失ったように脱力する。私から何も奪わないで。成歩堂さんを奪わないで……もう、真宵ちゃんに奪われて何も無いよ。私は空っぽなの

身体も心も宙ぶらりんになったみたい。本当に宙ぶらりんになったら楽になれるのかなぁ

事件の証拠品のロープが机にある。それを取った。何も考えず

椅子を置いて、それに乗る。ロープをかけた。首にロープをかけて椅子から脚を離す。宙に浮いた

「私……宙ぶらりん………」

そんな事を呟いたような気がする。今となってはもう誰にも分からない

膝枕してみた→←同じ口調と同じ性格になってみた

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