寮にて2 ページ10
貴方side
兔角さんがいないのはラッキーと思うべきなんだろ〜な〜。
「あ〜、晴ちゃんお構い無くッス〜。後すぐ帰るッスから。」
「え、でも……。」
「お構い無くッス。」
お茶の用意を始めようとしていた晴ちゃんを制止座らせてもらっている椅子の近くの椅子に無理矢理座らせる。
「え、え〜と、A君は何の用があって来たの?」
「Aで呼び捨てでい〜ッスよ。ん〜、何の用かって聞かれると……晴ちゃん、明日から気を付けた方がいいかもって話をね〜。」
「え?」
おっと、これは失言だったッスかね?
全っ然わかってないっぽいッスけど。
いや、単に兔角さんから聞かされてないだけなのかもなぁ、と考えつつそろそろ兔角さんが帰ってきそうな時間だな。売店に行ったって話だし、帰ってくるならそろそろだろう。
「まぁ、気にせず心の片隅にでも留める感じでいてくれればいいんで!じゃあウチはこれで失礼するッス!」
と、敬礼のポーズで部屋から去ろうとした瞬間「あ、待って!」と、晴ちゃんに呼び止められた。
晴ちゃんはベッドの近くの通学用鞄からストラップみたいなものを取り出すとこっちに駆けてきた。
「これ!明日渡そうと思ってたんだけど今渡しちゃうね!」
何の伏線もなくストラップを渡されたので軽く目が点になっていたようで晴ちゃんは慌てて、
「これ!皆に渡してるの!お友だちの印にって……貰ってくれるかな?」
なるほど……鳰とか伊介さんとか要らないとか言いそうだけどウチは違うッスよ〜?
可愛い物が好きなんでね。こう言うのはテンション上がるッス。
「うわ〜!嬉しいッス!いや〜にしても、こんなの作れるなんて器用ッスね〜。」
そう言うと晴ちゃんはぱぁっと顔を輝かせ笑顔になった。
そのストラップを自分のポケットに入れると、
「さて、こわ〜い角もった兎さんが来る前にウチはさっさと退散するッスかね〜。」
兔角さんに見つからないように急いで七号室に急ぐのであった。
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桜 猫観(プロフ) - おぐスカリバーさん» コメントと誤字指摘ありがとうございます! うっかり名前ミスしちゃってましたね、後で直しておきます!ありがとうございます! (2014年5月31日 18時) (レス) id: fb0a827b48 (このIDを非表示/違反報告)
おぐスカリバー(プロフ) - 鳰の兄貴という設定が面白いです!
後、伊介様と春紀の字が伊助と晴紀になってます
これからも頑張ってください! (2014年5月31日 17時) (携帯から) (レス) id: 0b09cfbba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜 猫観 | 作成日時:2014年5月13日 18時