寮にて4 ページ12
貴方side
兔角さんとの一悶着の後、何事もなく自室に戻ることが出来たウチは晴ちゃんに貰ったストラップを見ていた。
「あれ?それお兄ちゃんも貰ったんスか?」
後ろから除きこむ様にウチの手の上のストラップを見つめる鳰。
『も』と言うことは鳰も貰ったんスかね?と言うと鳰はいやいや、と笑顔で行ってきた。
「晴ちゃん、あのストラップをクラス全員に渡したんスよ。いやまぁ、ほとんどの人が処分したッスけどね。」
「ふ〜ん、なるほどね〜。」
まぁ確かに発信器とか盗聴器とかの心配をするんだったら捨てるのも仕方ないッスかね。
ウチは気に入ってるから捨てる気さらさらないッスけど。
お風呂から上がると鳰は静かに寝息をたてて眠っていた。
あ〜、鳰の寝顔を見るのも久々な気がする。
机のスタンドライトをつけて明日の用意を確認する。
……げ、生物あるじゃないッスか。虫とか苦手だから植物園にはあまり入りたくないんスけど……まぁ、仕方ないッスかね。
教科書、ノートを鞄に入れて最後に晴ちゃんに貰ったストラップを鞄に付けてみる。
「……よし……うん、可愛いな。」
ウチが持ち歩くには無理があるかも知れないッスけどいいんスよ。
可愛いから。可愛いはだいたい正義になるんスから。
明日の用意を終えてスタンドライトの灯りを消してベッドに入る。
なんか妙に長く感じた1日だったけど……まぁいいか。
「?」
コンコン、とドアがノックされる。
こんな時間に誰ッスかね?いや、暗殺者に時間なんて有ってないようなものですけど。
「ヤッホー!こんばんは!A!」
今日初めて会ったときのように(と言っても流石に時間は考えてるようで小声ではあるが)腕を掴んで笑顔でウチのことを部屋から連れ出したのは武智乙哉さんだ。
「な、なんなんスか〜。ウチはもう眠いんスよ〜?」
ぶぅ〜、と膨れてジト目で睨み付ける……がまぁまぁ、と乙哉さんはウチの頭を撫でてくる。
「ちょっと付き合って貰っても……いいかな?」
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桜 猫観(プロフ) - おぐスカリバーさん» コメントと誤字指摘ありがとうございます! うっかり名前ミスしちゃってましたね、後で直しておきます!ありがとうございます! (2014年5月31日 18時) (レス) id: fb0a827b48 (このIDを非表示/違反報告)
おぐスカリバー(プロフ) - 鳰の兄貴という設定が面白いです!
後、伊介様と春紀の字が伊助と晴紀になってます
これからも頑張ってください! (2014年5月31日 17時) (携帯から) (レス) id: 0b09cfbba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜 猫観 | 作成日時:2014年5月13日 18時