129話 反撃 ページ37
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ハハハッと狂ったように笑ったAの異能は、ガクッと下を向き、また顔を上げた。
その目と口しか分からない顔からは、先程までの狂暴さはうかがえない。
代わりに、冷静さを感じ取れた。
『君も私も、もっと早く気付くべきだった、この方法にね』
D「う、嘘だ…私の異能が……ぐっ」
Aの異能は躊躇なくDの首を片手で掴み、持ち上げた。
『おっと済まない、人間の弱点は首だったな、暫く人間を相手にしていなくてね、忘れていたよ』
D「っ…は、なせっ……」
『君の異能は、生物以外には効かないんだろう?だから夜叉を操る泉鏡花や尾崎紅葉を中心的に傷付けた』
D「それがっ…何だって言うんだ…!」
『神咲Aは、自分より周りを大事にする性格でな、その性格はやがて害になり、神咲Aはその害が生きる支えだった』
D「なにを…ごちゃごちゃと…!」
必死になって暴れるが、Dの力と異能の力は圧倒的な差を見せ、首に食い込んだ指はピクリともしない。
『いつからだろうか、神咲Aは自分の大事な人間が傷付けられるのを大いに嫌い、心に闇を持ち、他人という名の光を求めた』
D「っ何が言いたい…!!」
『まだ分からんか、私の言いたい事が……』
瞬間、異能はDを壁に向かって投げ捨てた。
壁は飛んできたDの圧力に耐えきれずに凹む。
『1つヒントをやろう』
D「ケホッゲホッ…!」
『影は本体の鏡、鏡は写すものを完璧に模写する』
異能は静かに言った直後、Dを思い切り蹴り上げた。
『神咲Aはとても怒っている、神咲Aが怒っているのなら、私も彼奴の影として精一杯怒らなくてはならない』
宙を舞うDの体に、高速で、かつ重いパンチをねじ込む。
床に付く頃には、Dは意識を失っていた。
『何だ、私が出てきた割にはつまらなかったな』
では…と異能は床にひれ伏すDを睨む。
『私の役目はこれからだ、D君』
異能の足元から、ドロドロと何かが床に溶かされていく。
気を失っているDに、異能は親切丁寧に言葉を紡ぐ。
『私は自分の影に牢獄を持っている、今からそこに行ってもらうのだよ』
ドロドロとした何かがDの体をゆっくりと沈めていくのを冷ややかな目でみる異能。
『そこには何百人と罪人が眠る、今日から君もその1人だ』
とうとうDの鼻先しか見えなくなった時、異能は静かに言った。
『さようなら、いい夢を』
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28cm(プロフ) - みろろ♪くろろ♪さん» 無事に完結いたしましたー!1回真面目なの書いて「…ん?これじゃ安吾くんシスコン設定壊れんぞ」ってなってあれにしましたwww織田作さんは天然ですからね!「道うず5」もよろしくお願いします! (2018年6月6日 4時) (レス) id: 0d354a01d1 (このIDを非表示/違反報告)
みろろ♪くろろ♪ - 道うず4、完結おめでとうございます!安吾の「お兄ちゃんはあんなこと……」のところで、凄く笑いました。あと、織田作のギュ〜、の絵文字が可愛い…!「道うず5」楽しみにしています! (2018年6月5日 23時) (レス) id: 309cc2022d (このIDを非表示/違反報告)
28cm(プロフ) - みろろ♪くろろ♪さん» 敦「道うず5では僕達が沢山からむらしいよ…チッ」芥川「悪夢だ…師匠どうにかなりませんか!?」『いやぁ私に言われてもねぇ…』すみません最後すっごい強引に終わらせちゃいました…!道うず5作ってくるぜキラッ (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0d354a01d1 (このIDを非表示/違反報告)
みろろ♪くろろ♪ - 賢「ギャグにする方法ですか?」鏡「そう。」賢「他のアニメ、バンバンぶち混めばいいんですよ〜♪」鏡「どこで、そんな言葉覚えたの!?」…すいません。ですけど、私は何も思い付かなかったら結構入れますけどね。織田作感動回…楽しみにしてます! (2018年6月5日 23時) (レス) id: 309cc2022d (このIDを非表示/違反報告)
28cm(プロフ) - みろろ♪くろろ♪さん» 全くギャグじゃ無くなってきたぞ(危機感)そして道うず5に行くまでに織田作感動回(?)は無事に終わりを迎えることができるのか!誤字脱字は私の方が多いですよ作品内でwwwポオ君の異能暴走事件…懐かしい…そしてらんぽっぽが出てこない悲しみ← (2018年6月5日 22時) (レス) id: 0d354a01d1 (このIDを非表示/違反報告)
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