トリップ特典はアサルトライフルとスナイパーライフルでした【文スト】

トリップ特典は14話目でした ページ22

その日は俺の予想通り�稀喱(カレー)で。
辛くて、辛くて仕方がなかった事を覚えている。




その日から、何日か後に起こった多くの組織同士の大きな戦い。

周りを見渡す…否、見渡さなくても、

右を向けば、死体。
左を向いても、死体。
前を向いても、味方か敵かも分からない死体が塵のようにあった。

その戦いは、龍頭抗争と言うようになった。





俺は、龍頭抗争の時どう生き抜いたか、どれだけ人を殺したか




全く覚えていなかった。




辛さは、痛みだと何処かで、教えてもらった覚えがある。


人を殺した痛み

仲間を殺された痛み


その痛みを我慢出来る様になった俺に、痛みではなく、その分の辛さにして、飲み込んで仕舞えば…また、泣く事が出来るだろうか。


話し掛けてくれた彼奴も、報われるだろうか。



そして、俺は更に、更に、手を黒く染めた。
手は血に濡れ、こびりつき、また濡れた。

殺す事に、意味もなくなった俺は、本当に俺を見失ったのだと実感した。

あの世界では、人を殺せば己も殺される。

だが、どうだ。こちらでは、人を殺さなくちゃあ、己が殺される。


「殺す意味は、生きるため…？」


我ながらに恐ろしい考え。

だが、それしか思いつかなかったのだ。



俺はまた殺しに精を出した。


そして、前の俺にはあった他人に対する優しさを無くしてしまった様な気がした。

トリップ特典は15話目でした→←トリップ特典は13話目でした

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す