検索窓
今日:7 hit、昨日:8 hit、合計:19,472 hit

*7 ページ9

(夏目side)



夏「とにかく、あの妖が現れる前に逃げないと。この結界の余波もそうは長く続かないんだろ…」


少女の右手の中にある裁ちばさみを外しながらニャンコにいい情報のお礼を言おうとした時だった。


夏「!?」


首あたりに何かが衝突したかのような衝撃が襲い、ニャンコの姿は跡形もなく消えていた。

――ユウジンチョウを知っているか?

あの言葉がやけに耳に残る。


夏「話が通じるからと油断した……。」


関わるとろくなことがない。

ため息をついて裁ちばさみを見つめる。

この子もそうだったのだろうか。

裁ちばさみを日に透かしてみて、思いをはせる。

どうして抑止力だなんて……。

赤い持ち手の裁ちばさみを鞘に戻して少女を抱き起す。

ちり


夏「やっぱり、傷がついてるじゃないか」


少女の端正な顔には小さな傷がいくつか刻まれていた。

河原で洗い流してやった方がいいだろうか。

そのまま背負おうとして気がつく。


夏「ふくらはぎ…かなりひどい傷があるじゃないか」


斜めに走る深いひっかき傷のような切り傷をみて思う。

ガイコツ野郎だなんて言っていたから、この子も妖に追いかけられていたのだろうか。


夏「思ったより、人間だ」


ちり…ん……

妖に襲われて逃げ出すなんて、この子も妖ならさっきのでどうにかなっただろうに。

それだけさっきの行動は今まで出会った妖の体験より恐怖を感じた。


でも、やっぱり、この子は女の子だ。


ちょうど河原においてきたカバンの中に応急セットが入ってればいいな、と願いつつ、俺は比較的静かな森を見知らぬ少女を背負って横切った。

*8→←*6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
34人がお気に入り
設定タグ:夏目友人帳 , 妖怪 , ルア・クロワール   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ルア・クロワール(プロフ) - さんきゅう、ゼル!次も頑張るのにゃ! (2015年1月27日 21時) (レス) id: 266707fba7 (このIDを非表示/違反報告)
ゼル@瑞西領平成目隠島物怪村(プロフ) - ルアー!ハロハロ~☆やっと来れたよ!夢主ちゃん激おこぷんぷん丸カムチャッカファ…げふんげふん。とりあえずお気に入りぽちっとな! (2015年1月24日 22時) (レス) id: d2761511ae (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ルア・クロワール | 作成日時:2015年1月23日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。