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(Aside)
「先生には、これがなにかわかりますか?」
首にかけていたひもを取って、セーラー服の中に隠していた帳面を手のひらに乗せました。
やたらと小奇麗な古い帳面。
千草色の表紙には何やら魔法陣の様なものが朱で書いてあり、何とも言えぬ怪しさを演出していたりします。
二「それは……」
じーっ、とニャンコ先生が帳面を見つめます。
わたしは少し期待して、先生の次の言葉を待っていました。
二「それは、【憑物録】ではないか?」
「……つきものろく、ですか?」
頭の蔵書に載ってない言葉が出てきて、わたしは首を傾げました。
夏目君のものと同じようなものが書かれていましたが……
それでも、友人帳ではないのですね。
安心3に疑問6です。
残りの1は……そうですね、傷を気にしているんじゃないでしょうか。
二「見たところ名と陣が書かれているしな。
封印されていたとき、噂に聞いたことがある。
妖と妙に仲の良い、極上の霊媒体質の人間が自分の血筋についていた妖どもと契約を交わし、その契約書の集められたものだとか。
話によれば、それで妖どもと連絡をとれるとも聞いたことがある。
妙に詳しいやつがいたから、やり方も知っているぞ?」
ふふん、と明らかに聞いて欲しそうな顔をしたニャンコ先生に、わたしは自然と苦笑してしまいました。
「先生、目は口ほどに物を言うって、知ってます?」
言葉の裏に、極上の霊媒体質の人間に会ったことがありますよね? 、と本質を隠しました。
ニ「な!? そ、それくらいたかが50年封印されていても知っておるわ、この小娘が!」
50年ですか……。
案外短いです。
というより、わたしの言葉の裏、読めてます?
「……その小娘にビビってたのはどこの招き猫さんでしたっけ?」
こてん、と小首をかしげてみせると、先生はわたしから目をそらして、あなおそろしや……、と口を震わせました。
これは本気で気づいていないようです。
しくじりましたか……案外、暗黙の了解って通じないんでしょうか。
ニ「こんな奴があのユウセイの孫とは……。あのまったりフェイスには似ても似つかん」
「………ユウセイ…?」
ぴく、とニャンコ先生が眉を動かします。
ニ「…お前……」
まさか、誘導尋問にかけられたのか? なんて
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ルア・クロワール(プロフ) - さんきゅう、ゼル!次も頑張るのにゃ! (2015年1月27日 21時) (レス) id: 266707fba7 (このIDを非表示/違反報告)
ゼル@瑞西領平成目隠島物怪村(プロフ) - ルアー!ハロハロ~☆やっと来れたよ!夢主ちゃん激おこぷんぷん丸カムチャッカファ…げふんげふん。とりあえずお気に入りぽちっとな! (2015年1月24日 22時) (レス) id: d2761511ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルア・クロワール | 作成日時:2015年1月23日 21時