友人と憑物【夏目友人帳】

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夏目side)




――ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ


乱れる息にも構わず、草木をかき分け走り続ける。

どこだ、どこだ、どこか、逃げられる場所は！？


――あっついな〜


人の声！

道だ！

森の中をかける勢いのままに、整えられた土の道に飛び出す。


？１、２「「！」」


飛び出した先には、突然現れた俺に驚く俺と同じ制服の男子が２人いた。

片方はどこか見覚えのある……。


？１「…あれ？夏目か…」

？２「ナツメ？ああ、二組(そっち)の転校生か」


同じクラスか。

道理で見たことのある顔だ。


ク「どうした夏目、なにやってんだ？」

夏「何って……」


勢い余って地面に手をついていた俺は身を起こして、周りを見まわした。

――ミーン、ミーン……

夏の風物詩、暑くてうるさい蝉の鳴き声。


夏「……」

ク「……おい」


困惑するクラスメイトに向かて苦笑しつつ、服についた砂を払い落とす。


夏「……なんでもない」

同「マジでか？」

夏「あぁ、それより近くに神社ってないか？」


心配してくれる同級生にアイツが近くに来ていないか森に目を向けながら質問する。


同「…ん？」

ク「その藪を抜けたところにあったような気が……」

夏「！ ありがとう」


じゃあな、と残して親切に答えてくれたクラスメイトに背を向け、藪の中に突っ込んだ。


ク「え、夏目！？」


巻き込むわけにはいかない。

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