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(Aside)
夏「あ! ニャンコ!」
彼の切迫したような、驚いたような声が布団越しに聞こえました。
「……え?」
ニャンコ……ネコ…ですか……?
二「さっきはよくもやってくれたな、小僧!」
中年みたいな声が息を巻いて彼に言い返しています。
あれれ、どこかで聞いた声ですね?
ちりん
フトンから慌てて顔を出して、声のした方を見てみました。
びゅっ、と白と黒とオレンジの何かがジャンプするのが見えました。
わたしの上で綺麗な姿勢で、とうっ、と彼に飛び蹴りをしているのは、森で見たあの招き猫さんです。
夏「うわ。急に襲いかかってきたお前の方がたちが悪いだろう!!」
彼も負けずに殴り落としました。
殴りました、じゃないです。
撃ち落としました、でもないです。
殴り落としたのです。
あぁ、あれは襲われてた音だったんですか。
確かにたちが悪いです。
ぴったりと怒りマークを顔に貼っ付けた彼は、ぼすん、とわたしの上に落ちた招き猫さんをしっかと睨みつけています。
二「ぬぬぬぬ……もやしのくせに、生意気な…」
頭に大きな✕(ばってん)をつけて悔しげな招き猫さんに、ひとつ、疑問をぶつけてみました。
「…そのもやしに全力でとびかかったのは招き猫さんじゃないのですか?」
二「そ、それもそうだな」
どもる招き猫さんです。
目があっちに泳いでますよー?
夏「も、もやし……」
ガーン、と撃沈しているのは彼です。
海の中なら見事に沈没しているでしょう。
あ〜れ〜、ぶくぶくぶく……すいません、ふざけました。
夏「で、何の用だ、ニャンコ」
二「むむっ、ニャンコとはなんだ!長い間招き猫を依り代に封印されていたから、体が形になれてしまったが、本来はとても優美な姿なのだ」
ふふん、と得意げに鼻を鳴らす招き猫さんを見て、ちょっといたずら心が芽生えました。
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ルア・クロワール(プロフ) - さんきゅう、ゼル!次も頑張るのにゃ! (2015年1月27日 21時) (レス) id: 266707fba7 (このIDを非表示/違反報告)
ゼル@瑞西領平成目隠島物怪村(プロフ) - ルアー!ハロハロ~☆やっと来れたよ!夢主ちゃん激おこぷんぷん丸カムチャッカファ…げふんげふん。とりあえずお気に入りぽちっとな! (2015年1月24日 22時) (レス) id: d2761511ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルア・クロワール | 作成日時:2015年1月23日 21時