失色5『リクエスト作品』 ページ21
「だほぉ、また来たぞー」
ｶﾞﾗｶﾞﾗ…と音を立てて病室の扉を開ける
だほが事故にあってからもうすぐ2年が経とうとしている
こいつが隣にいなかった2年。他のメンバーはいる、けどこいつがいないと全然楽しくねぇ…そんな感じ
花の水を替えてちょっと花を増やして…
「今日はな、あいつらと一緒に土手で動画撮ったぜ、お前も来ればよかったのに」
今日あった事を色々と話す
だほはまだ眠ったまま
「そうだ、視聴者にお前のこと伝えたぜ。全部ではねぇけど、ある理由で出れません…とだけな」
流石に意識不明の重体で病院に搬送され今も眠ってる…なんて言ったら視聴者は大混乱するだろう。だから俺達は言わない選択をした
それから今日あった事をゆっくりと話して言った
痩せちまったな、キャラなくなるなー、なんて呟きつつ
「俺が珍しくボケたらあいつら変な顔するんだぜ？俺ボケちゃ駄目なのかよーwって笑ってさ」
「…そろそろ撮影溜まってきてるぜ？早く起きろよな」
…
「あ、こんな時間か…じゃあ、また来るな」
気づけば１時間ほど経っていた。そろそろ次の撮影がある
振り返らないで病室から出る
「いつ目、覚ますかなぁ…」
そっと呟いた
その声は
病室の中に消えてった
「ンダホー、来たよー」
帽子を片手に病室に入る
ｶﾗｶﾗと音を立てて中に入ればそこには管に繋がれたンダホの姿
「ンダホ聞いてよ、新発売のグミ買いに行ったんだけどね〜…」
いつもの俺らしくない口数だが、仕方ない
だって、ンダホに話し続けないとンダホの存在を確認できないから
それに聞こえてくるんだ、ンダホの相槌とか、ンダホの笑い声が
『なんだよそれw』
そうやって、あの変な高い声で笑ってるあいつの声が、顔が
「だほー、また一緒に動画撮ろーね」
『うん！』
なんて明るく笑ってよ
今すぐ起きて、おはようなんて言って眉を下げてよ
「だほがいないと、俺つまんないよ」
生と死の境目をさまよっているンダホ。
それを俺たちはどうすることも出来ない。それがもどかしいけど、でも何も出来ないのは事実
こんな事になるなら、俺が…
なんて、思わないけどね。だってみんなに怒られちゃうし、きっとンダホも怒ってくるから
「そろそろ時間だ…じゃあ、帰るね？」
ンダホが起きたその日には、美味しいご飯を用意しよう
そしてお腹いっぱい食べさせて上げよう。いまは痩せちゃったけど、きっとまたいつものンダホに戻る
その日を夢見て、俺は病室を出た
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユキ(プロフ) - 更新頑張って下さい！これからも応援しています！こんな素敵な作品をありがとうございます！ (2018年11月20日 6時) (
レス) id: f33740b3ed (このIDを非表示/違反報告)
櫻(プロフ) - amnos さん» ありがとうございますー！今学校が忙しいので更新速度は落ちてしまいますが疾走はしませんので！！ (2018年1月30日 17時) (レス) id: bfb2186e86 (このIDを非表示/違反報告)
amnos - 更新頑張ってください！(*´ω｀*) (2018年1月30日 1時) (レス) id: 1d2ca0975b (このIDを非表示/違反報告)
櫻(プロフ) - amnosさん» おおっ！勘が鋭いですね！流石です！！ここまで読んで下さりありがとうございました(｀・ω・´) (2017年12月23日 1時) (レス) id: bfb2186e86 (このIDを非表示/違反報告)
amnos - なるほど･･･ストーカーかな？って思ってたけど当たったw (2017年12月22日 10時) (レス) id: 1d2ca0975b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：櫻 | 作成日時：2017年11月22日 0時
