大胆な彼氏。 ページ7
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少し薄暗い坂道の端にある、小さな電灯の下
腕時計の短針は6と7の間を指し示していた。
『どうかしたの？』
熱い視線を感じて正面を向くと、少し切れ長の瞳と目が合った。
とても至近距離で暫く瞳を見つめ返していると、鼻に柔らかい唇が当たる。何の素振りもなかった為、驚きが隠せない
そして、ソレは鼻から少し下にズレていった
『ん…ちょっ！』
「A、大丈夫か？」
『っうん。大丈夫……うひゃっ』
「……そうか」
彼が私に話しかける間にも、その手は私の肩に置かれ体の重心はこちら側に傾いて来ている。
そのまま、私の胸元にもう片方の手が＿＿＿
『……焦凍、なんでその子取り上げたの』
彼はいつもより硬い表情で、私を見下ろす
その手には、私が抱っこしていた子猫が抱えられている
"ミィ、ミィ"
伸びていても、やっぱり子猫は可愛いみたいだ
「俺も触りたいのに、ズリぃ」
『でも取り上げなくても……あっ』
UFOキャッチャーのように焦凍の腕で空中にぶら下がっていた猫は、するりと地面に着地してどこかに歩いて行った
あぁ、もっと触っていたかったのに
『触りたいなら、先に声掛けてよ』
はぁっとため息をついて、帰り道をゆっくりと歩き出す。帰る方向が同じだから、必然的に彼は私の後ろを歩いている
「お前、あの猫に構ってただろ」
『だって可愛いんだもん。でも別に、言ってくれたら焦凍優先したよ』
「……そうか」
焦凍は動物と触れ合う機会があまりないっぽいし、普通に譲ったのになぁ
でも、つい私から取っちゃうくらい好きなのは知らなかった。次は先に触らせてあげよう。
『焦凍、この辺りで』
先程の私の言葉を聞いて、どこか嬉しそうだった焦凍と坂道を登って行くと大きな日本屋敷が目に入る。
日本屋敷が多いこの辺りで1番大きなお家が轟家で、そのお向いが私の家だ。
ちなみにエンデヴァーさんは、私の事多分キライ。嫌いなヤツと息子が付き合ってるって知ったら、どうなる事やら
『じゃあ、また今度ね』
見つかる前に別れようと、私は走り出す。しかし、急に左手を握られて後ろに引かれた。
私の背中が彼に当たる
「A」
呼ばれた名前に応えようと、顔を彼の方に向けた。
ちょっと、近くない？
けれど、そんな疑問を言う前に小さなリップ音が聞こえた
彼の唇が触れた額が、熱い
『え、なんで急に…』
「アイツばっかりずるいだろ」
『ん？』
＿＿＿触りたかったのは猫じゃなくて、私？
終わり
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猫田。(プロフ) - 爆豪いちこさん» 面白いと思って頂けて嬉しいです！！ありがとうございます！ (2019年3月25日 16時) (
レス) id: 89bfed9050 (このIDを非表示/違反報告)
爆豪いちこ - 私もヒロアカ書いてるけどこんな面白くかけないのですごく羨ましいです！本当に面白いし好きです、更新頑張ってください！ (2019年3月24日 12時) (レス) id: ca9b377dc3 (このIDを非表示/違反報告)
猫田。(プロフ) - 千燈篭さん» ありがとうございます！！ (2019年3月23日 12時) (レス) id: 89bfed9050 (このIDを非表示/違反報告)
千燈篭(プロフ) - すごく面白いです！頑張ってください！ (2019年3月23日 8時) (レス) id: d8fcfefed1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田。 | 作成日時：2019年3月22日 21時
