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万里side
校門前で待ち合わせしていたのに、Aがいない。
万「LIME入れとくか...」
貴「万里...！」
AにLIMEを入れようとしたらAが来た。
貴「病院に行ってて...遅れてごめん」
万「今来たとこだから大丈夫だけど...なに、どっか悪いの？」
貴「ううん！ちょっと風邪っぽいなって思ったけど大したことなかった」
万「そっか。あんま無理すんなよ」
そう言って、俺はAの頭をぽんぽんと撫でた。
貴「うん、ありがと」
Aはちょっとだけ頬を赤くしてそう言った。
こういうスキンシップに少し弱いところも可愛い。
「よっ！摂津〜...あれ、その子だれ？」
万「あー、俺の彼女」
「え！まじで...！？」
貴「あ、えっと...どうも」
Aはぺこりとお辞儀をした。
「いーなー！俺も彼女ほしー！」
万「へーへー。俺たちデートだから邪魔すんな」
「くそぉ！今度詳しく教えろよな！」
俺はAの手を握って天鵞絨街の方へ歩いた。
貴「さっきの人、同じ学科の人？」
万「そ。演劇好きでよくうちの公演に来てくれてる」
貴「そうなんだ」
Aは手を繋いでいる時に喋ると、手をにぎにぎする癖がある。
多分本人は気づいていない。
これがなんだか可愛くて好きで、よく手を繋いでいた。
万「お前ほんと可愛いな」
貴「えー、いきなりなにー？」
表情や口調はなんとも思ってなさそうだけど、照れるともっとにぎにぎするからそれがまた可愛い。
全然隠せてないのに隠せているつもりなのが愛おしい。
貴「今日はどこに寄り道するの？」
万「前よく行ってたカフェ行かね？」
貴「やった！」
Aは、俺の手を握ったまま小さく顔の前でガッツポーズをした。
それと同時によほど楽しみなのか少し早足になった。
本当に可愛い奴。
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作者名：もんたぎゅー | 作成日時：2018年10月11日 21時
