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貴方side
貴「ルチアーノすごくかっこよかった！」
万「それ聞くの10回目くらいなんだけど」
貴「そんなに言った？」
万「そんなに言った」
そう言って、万里は人差し指で私のおでこをついた。
貴「舞台の上にいる万里があんなにかっこいいなんて思わなかったなぁ」
万「そりゃどーも」
万里はからかうように笑って、コーヒーを一口飲んだ。
貴「あっ、私万里とお揃いのものが欲しいの！」
万「じゃあカフェ出たら探しに行くか」
貴「なにお揃いにしようかな〜」
万「見てから決めようぜ」
万里は少し笑って、またコーヒーを飲んだ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
貴「あっ、これ綺麗...」
ふと目に入ったのは、シルバーのシンプルなデザインのネックレスだった。
万「俺もそう思った。これにするか？」
貴「いいの？」
万「俺もこれがいい」
万里はにっと子供のように笑って、ネックレスを２つ取ってレジに向かった。
貴「あっ、私も払う...」
そう言ってレジに向かった万里を追おうとした時、身体中に鋭い痛みが走った。
貴「いっ....」
最近身体中が痛みだしてきたけれど、こんな強い痛みは初めてだった。
万「おい、大丈夫か？」
貴「ご、ごめん...！久し振りにヒール履いたから靴擦れしちゃって...」
万「長い時間歩いたもんな。これ買ったらすぐ帰るか」
貴「うん、ごめんね...」
万「謝ることじゃねーよ」
そう言うと、万里は私の頭をくしゃりと撫でた。
貴(だんだん隠すのが難しくなってきてる...)
私の身体は限界に近かった。
でもまだ頑張れる。
バレないように、隠し通さなきゃ。
万「買ってきた。痛みがひどくなる前に帰ろうぜ」
貴「...うん」
万里は手を繋いでくれた。
とても温かかった。
私の冷たい手とは真逆だった。
貴「っ...」
咳をしそうになって耐えた。
喉には花びらの感覚。
私は花びらを飲み込んだ。
万里に、こんな苦しい思いをする私を見せて悲しませたくない。
その一心で全部全部必死に隠した。
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作者名：もんたぎゅー | 作成日時：2018年10月11日 21時
