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万里side







私が貴方に告白した場所で、待ってる。







一通のメールがきた。



知らない電話番号からだった。



でも、俺には思い当たる人物が1人いた。









万「A...?」









Aがこのメールを送った。



そんな気がして、俺は急いで寮を出た。








___________________








貴「来てくれてありがとう」




万「A...」









大きな桜の木の下にAはいた。









貴「電話番号、変わってなくて良かった」




万「どうして俺を呼び出したんだ」




貴「謝りたくて。別れを切り出したこと」









高校2年生の冬、俺たちは別れた。



付き合ってもうすぐ2年になる時期だったのに。









万「なんであの日学校を辞めたりしたんだ」




貴「...癌だった。治らない可能性が高くて」




万「癌...?」




貴「治療に時間がかかるから、学校も辞めた。死ぬかもしれない私と付き合うよりも、他の人と付き合った方がいいと思って貴方とも別れた」




万「なんだよそれ...」









俺はなんとも言えない気持ちになった。



悲しさとか、不安感とか、いろんな負の感情が混ざったような、そんな気持ち。



癌を患ったことを言わずに別れを切り出したこと、Aが死ぬかもしれなかったこと。



一気に情報が入ってきて、混乱してしまう。









貴「でも、別れる時に言ったよね。もしまた次があるのなら、」




万「私はきっと貴方の元に戻る」




貴「なんだ、覚えてたんだ...」









そう言って、Aは悲しげに笑った。









貴「私に次って、あるのかなぁ...」









そう言って、Aは笑いながら泣いた。



無理して笑顔作って、でも涙は抑えられてなくて。









万「ある。だから俺はここに来たんだろ。だからもう泣くな」









そう言って、Aを抱きしめた。



そしたらAはもっと泣いた。



Aのことだから罪悪感とか感じてるんだろ。



そう思って、俺は優しくAの背中を撫でた。



俺はまだ、Aがこんなに泣く理由を知らなかった。









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作者名:もんたぎゅー | 作成日時:2018年10月11日 21時

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