27.あくびと猫 ページ27
夏油は押し黙る僕の肩に手を置く。
そのせいで腕を失った左肩が痛むけど、そんなのお構い無しに力を込め__
夏油「A、分かっているだろう?
呪霊と人間、それに呪術師が共存する道なんてないんだよ。この男の言葉に耳を貸さないで」
A『っ……、うん』
夏油「いい子だね。
恩師、友達、家族……そうした情は捨てないと真人達を守れないよ?」
まるで言い聞かせるように耳元で囁いてくる。
分かりきった答えに僕は目を閉じ、小さく頷いた。
夏油「さて、そろそろ君ともお別れしようか。
おやすみ____五条 悟。新しい世界でまた会おう」
夏油が獄門疆を封印しようとしたら。
五条「僕はな、オマエはそろそろ起きろよ。
いつまでいい様にされてんだ、傑____」
夏油「__ッ!!カ、ハッ……!?」
A『えっ、夏油……!?』
『傑』という呼びかけに反応したのか。
急に夏油の右腕が動いて自分の首を締め出した。
苦しそうにしながらもどこか愉しそうな笑いを浮かべ__
夏油「……あっははは!凄いな、初めてだよこんなの」
A『勝手に動くとか……ちゃんと乗っ取れてる?』
夏油「大丈夫、この程度なら問題もないさ」
自身の体が急に制御を失ったというのに笑い出すから不審な目で見ていれば。
僕達の背後から__
真人「ふわぁ……。A〜夏油〜」
やっと起きたのか、あくびをしながら僕の飼い猫が近寄ってきた。
__________
真人はまだ眠たそうに目を擦りながら側にやって来る。
撫でてほしいのか頭を屈めたところ。
僕の左腕が無いことに気づいて目を見開き__
真人「ッ__!?
Aのその腕……いったいどうしたの……!」
A『ちょっと油断して……でも、後で治すから心配は』
真人「心配するに決まってる!
こんなの……痛くない??早く手当しよ、」
真人は腕の欠損を心配するように見つめてくる。
こんな重傷は初めてだからか、どうしたらいいのか分からず涙目でオロオロしだすし。
僕は残った腕で頭を撫でてあげ__
A『落ち着いて、僕は平気。血もそんなに出てないし』
真人「そういう問題じゃ……あ、そうか。
コイツがAを……絶対、許さないッ……!!」
真人は五条目掛け、腕から生やした刃を振り下ろした。
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シュリィ(プロフ) - 莉にゃんさん» コメントありがとうございます!シリーズ物なのに全部読んでくれたんですか…!?作者として凄く嬉しいです!夢主と真人たちのお話はまだまだ続くのでこれからもお楽しみください〜ฅ- ·̫ - ̳^)♡ (12月30日 0時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
莉にゃん(プロフ) - 見つけて読み始めてここまでぶっ通しで読み込んでしまいました。真人が特別に思ってくれる感じや呪霊側の仲間達との関係性が凄く好きです◝(⑅•ᴗ•⑅)◜続きが楽しみです。頑張って執筆して頂きありがとうございます。応援してます (12月29日 2時) (レス) @page16 id: 15a8231294 (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - 霜さん» こちらこそ応援のコメントありがとうございます!これからも猫な真人のお話を楽しんでくれると嬉しいです(៸៸᳐>⩊<៸៸᳐)♪ (12月25日 22時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
霜 - 更新感謝です‼︎ 1番好きな小説なのでこれからも楽しみに待ってます、頑張ってください‼︎ (12月24日 11時) (レス) @page15 id: e6f015306f (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - ????さん» お祝いコメントありがとうございます!ぜひ続きの方もよろしくお願いしますね♡(˶> ̫ <^˵)੭ (12月7日 0時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年11月1日 23時