23.開門と猫 ページ23
痛い____
その一言が頭を支配する。
腕を失うなんて初めてで……反転を回す余裕もなかった。
痛みにうずくまっていれば、相手は臆することなく近づいてくる。
五条「術式の焼き切れがあるからって油断した?5分もあれば回復出来るさ。
自分の防御を呪霊なんかに回すからこうなるんだ」
A『っ……それでも、仲間が傷つくよりマシ、』
言い切る前に胸ぐらを掴まれ、持ち上げられる。
ねじ切れた左腕が酷く痛み出して思わず涙目になるけど。
弱みを見せたくなくてキッと六眼を睨みつける。
五条「……反抗的な態度もいいけど。
あまりそういう目をされると……どうせ囲うんだから腕も足もいらないでしょ」
A『ひっ……や、やめ……』
そんな風に脅してくるから痛みが恐怖に変わる。
五条 悟はカタカタと震える僕を降ろすと、頬に手を添え__そのまま深いキスをしてきた。
A『んっ……!?ふ……/// 』
五条「深いのは苦手?ツギハギの奴にたくさん調教されたんじゃない?」チュ
A『そんなの、貴方には関係なっ……!』
文句を言おうにも、すぐ唇を塞がれる。
僕の側には硬直している真人がいるけど……五条 悟はまるで見せつけるように強引なキスをしてくる。
腕の痛みと酸欠で意識が朦朧とする。
僕の猫耳と尻尾もだらんと力なく垂れてきたところで__
五条「はっ……意識はなくても恋人に見られるのは嫌なんだ?」
A『はな、れろ……!』
五条「っ、まだ剣を振るえるくらいの元気はあるのか」
右手から滑り落ちそうだった叢雲剣を召喚し直し__
そのまま右腕を振り上げ、斬撃を放った。
A『はぁ、はぁ……いつまで待たせるの』
五条「?何を言ってるんだ」
必死に振るった剣も後ろに飛び退いて避けられる。
だけど、五条 悟の後ろでコトリと何かが落ちる音がし__
?「獄門疆____開門」
違和感に気づいた五条 悟が後ろへ振り返れば。
『開門』という言葉と共に、獄門疆が大きく開く。
中心部にある大きな目は五条 悟を真っ直ぐに見つめていて__
?「や、悟。久しいね」
五条「は……?」
僕の後ろから袈裟を着た夏油が現れる。
去年、自らの手で殺したはずの親友の姿に五条 悟は目を見開いた。
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シュリィ(プロフ) - 莉にゃんさん» コメントありがとうございます!シリーズ物なのに全部読んでくれたんですか…!?作者として凄く嬉しいです!夢主と真人たちのお話はまだまだ続くのでこれからもお楽しみください〜ฅ- ·̫ - ̳^)♡ (12月30日 0時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
莉にゃん(プロフ) - 見つけて読み始めてここまでぶっ通しで読み込んでしまいました。真人が特別に思ってくれる感じや呪霊側の仲間達との関係性が凄く好きです◝(⑅•ᴗ•⑅)◜続きが楽しみです。頑張って執筆して頂きありがとうございます。応援してます (12月29日 2時) (レス) @page16 id: 15a8231294 (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - 霜さん» こちらこそ応援のコメントありがとうございます!これからも猫な真人のお話を楽しんでくれると嬉しいです(៸៸᳐>⩊<៸៸᳐)♪ (12月25日 22時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
霜 - 更新感謝です‼︎ 1番好きな小説なのでこれからも楽しみに待ってます、頑張ってください‼︎ (12月24日 11時) (レス) @page15 id: e6f015306f (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - ????さん» お祝いコメントありがとうございます!ぜひ続きの方もよろしくお願いしますね♡(˶> ̫ <^˵)੭ (12月7日 0時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年11月1日 23時