20.茨と猫 ページ20
脹相の言葉に我に返り____
ポンポンと頭を撫でる手を振り払った。
A『っ、僕のために人を殺したの……?』
脹相「あぁ。……その表情、納得がいってないみたいだが」
A『納得するわけないよ。人を殺さないって約束で連れてきたのに……』
脹相は悠仁のお兄ちゃんだから。
きっと、呪霊側についたことを後悔するって知ってるから。
せめて、いつか会う悠仁にちゃんと兄として顔向けできるように約束したのに。
それでも、血の繋がりがない僕を弟だって言ってくれて……ここまで一緒に着いてきてくれた。
脹相「……約束を守れずすまない。
だが、弟が1人で茨の道を進むと決めたなら。俺はどこまでもついて行く。それが兄としての姿だろう?」
A『僕は脹相の本当の兄弟じゃないのに……どうしてそこまで』
僕は最初、脹相を利用するつもりだった。
渋谷の計画に協力してもらって、その後は適当に悠仁達に合流させればいいやって。
壊相と血塗も生きているから悠仁が弟だって分かれば脹相も高専側につくはず。
なのに、どうしてか脹相に気に入られて。
脹相「血の繋がりはなくても。A……お前が好きだから、だな」
A『えっ……?』
僕に好意的なのは壊相と血塗を助けたからだって思ってた。
だけど、脹相の『好き』の意味を考える暇もなく__
真人「はいそこ!イチャつくの禁止ー!!」
脹相「っ!」
A『真人!別にイチャついてないよ……ね、脹相?』
僕と脹相の間に真人が突っ込んできて無理やり引き剥がされる。
真人の背後から脹相の顔を見てみれば。
血色の悪い顔がほんの少しだけ、赤く染まっていて__
脹相「あ、あぁ……そうだな/// 」
真人「ふーん?怪しいなぁ……」
そんな様子の脹相を真人がジト目で見ている。
それと同時に、遠くから漏瑚の痺れを切らしたような声が聞こえてきた。
漏瑚「真人に脹相……!!いつまでサボっているつもりだ!!
やる気を出さんのなら貴様らから燃やすぞ!!」
真人「あはっ、漏瑚に怒られちゃった。でもさ……」
僕たちが話していた間、漏瑚が五条 悟の相手をしていたけど。
漏瑚がわざわざ攻撃しなくても、ホームに溢れる改造人間と上階から降ってくる人間のせいで五条 悟は迷っていたはず。
真人もそれをわかっているのかニッと笑みを浮かべた。
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シュリィ(プロフ) - 莉にゃんさん» コメントありがとうございます!シリーズ物なのに全部読んでくれたんですか…!?作者として凄く嬉しいです!夢主と真人たちのお話はまだまだ続くのでこれからもお楽しみください〜ฅ- ·̫ - ̳^)♡ (12月30日 0時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
莉にゃん(プロフ) - 見つけて読み始めてここまでぶっ通しで読み込んでしまいました。真人が特別に思ってくれる感じや呪霊側の仲間達との関係性が凄く好きです◝(⑅•ᴗ•⑅)◜続きが楽しみです。頑張って執筆して頂きありがとうございます。応援してます (12月29日 2時) (レス) @page16 id: 15a8231294 (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - 霜さん» こちらこそ応援のコメントありがとうございます!これからも猫な真人のお話を楽しんでくれると嬉しいです(៸៸᳐>⩊<៸៸᳐)♪ (12月25日 22時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
霜 - 更新感謝です‼︎ 1番好きな小説なのでこれからも楽しみに待ってます、頑張ってください‼︎ (12月24日 11時) (レス) @page15 id: e6f015306f (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - ????さん» お祝いコメントありがとうございます!ぜひ続きの方もよろしくお願いしますね♡(˶> ̫ <^˵)੭ (12月7日 0時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年11月1日 23時