9.見張りと猫 ページ9
それから数日間は真人がずっと側にいた。
気まぐれに僕の体を求めてきたり。
分身を見張りに置いて、どこかに出かけたりしている。
ここは地下だから昼も夜も分かんなくて。
慰めのつもりなのか……猫のぬいぐるみが牢の中に増えていった。
A『君は分身だよね?枷……外して欲しいな』
真人?「俺が分身だって分かるんだ?
だけど残念、俺もAを逃がすつもりはないよ」
真人の分身は読んでいた本から顔を上げ、にっこりと微笑む。
分身には呪霊の核がない。
そこで、分身と2人きりの時にお願いしてみようと思ったんだけど。
真人?「でも、そうだなぁ……Aが可愛くオネダリしてくれたら考えようかな」
A『……!ねぇ、何でもするから……お願い』
真人?「何でもねぇ。本当に何してもいいの?」
分身は本を机に置き、僕の服に手をかける。
何でもするとは言ったけど……と、戸惑っていれば花御が牢の前にやってくる。
花御「__食事を持ってきましたよ」
A『花御……』
真人?「あーあ、花御も来ちゃったし恥ずかしがり屋のAに酷いことは出来ないなぁ」
花御は少し窮屈そうに体をかがめ、牢の中に入ってくる。
食事を机の上に置けば__
花御「少し痩せましたか?今日こそは食べてくださいね」
A『いらない』
花御「そんなこと言わないでください……ほら、この果物は採れたてですよ」
すっとリンゴを差し出されるけど。
花御には悪いと思いつつ、顔を背ける。
真人「ただいま。そのリンゴは俺が食べさせておくよ」
花御「真人……。Aの元気がなさそうなのでお願いします」
帰ってきた本体の真人がリンゴを受け取り、分身も吸収された。
花御が出ていくと真人は僕に詰め寄り__
真人「昨日あれだけシたのにまだ足りないの?分身を誘惑するなんて」
A『そんなつもりじゃ……』
真人「大丈夫だよ。俺がいくらでも愛してあげるから」
真人はリンゴを一口齧ると、口移しで食べさせてくる。
甘酸っぱい香りが口の中に広がって__そのまま押し倒された。
A『(悠仁たちは……悲しんでくれてるかな。最後があんな別れ方で悪かったな)』
真人「……考え事してる?今は俺以外、何も考えないで」
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シュリィ(プロフ) - べいぞーさん» コメントありがとうございます!ヤンデレな真人も挟んじゃいました(៸៸᳐> <៸៸᳐)♥楽しんでくださると幸いです! (12月16日 23時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
べいぞー - まだ読み途中ですが真人がDVカレシっぽくなってきて万々歳です。ありがとうございます、ものすごくいい作品だと思っております (12月12日 14時) (レス) id: 32b6ce9bde (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - ニーなさん» コメントありがとうございます…!小説を好きと言ってもらえて嬉しいです!最後まで更新頑張りますね(^ ̳- ‧̫ • ̳^)♡ (10月26日 0時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
ニーな - このシリーズめっちゃ好きです!体調に気をつけて更新がんばってください! (10月24日 21時) (レス) @page29 id: 8c9f62e83c (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - 星雀さん» コメントありがとうございます!ぜひ続きも読んでくださると嬉しいです(៸៸᳐>⩊<៸៸᳐)♪ (10月8日 23時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年9月13日 23時