8.露天風呂と猫 ページ8
誰かに抱き上げられる感触と暖かいお湯____
肌に触れる体温が心地よくて思わず頬ずりをする。
ゆっくりと目を開けば__
A『……温泉?なのかな』
真人「A、起きた?夜までぐっすりだったね」
A『っ、真人……』
辺りに立ち込める白い湯気と水色の猫耳。
僕は真人に抱きかかえられ、何故か温泉に入っていた。
ここがどこなのか見回せば星空が見え__
真人「ここは屋敷の露天風呂だよ。
里の近くに天然温泉が湧いてるみたいでね、屋敷にも引かれてたんだ」
ちゃぷちゃぷと水音を立てながらツギハギの尻尾が揺れている。
温泉は白く濁っていて湯につかっている部分は見えない。
立派な屋敷だけど、まさか露天風呂までついてるなんて。
もちろん、2人とも裸で__
A『……そう』
真人「元気ないね……。ここに閉じ込めたことまだ怒ってる?」
A『怒ってはないよ。ただ、悲しいだけ』
そう言ったら真人の猫耳がぺしょと垂れる。
枷も外して欲しいし、僕は自分の手首を見せつけた。
A『真人、僕も渋谷に連れていって。皆んな僕の大事な仲間だから失いたくないんだ』
真人「……それは出来ないよ」
A『っ、真人のわからずや!』
真人「何言われても出してあげる気はないから」ギュ
罵っても真人は僕の腰を抱き寄せた。
A『五条先生と戦うなら無事じゃ済まないよ、きっと誰かが犠牲になっちゃう』
真人「策はある。夏油だって五条 悟を封印したいだろうから、俺たちを嵌めると思えないし。
ところで、A……五条 悟のことずっと先生って呼んでるじゃん」
A『これは、つい癖で……』
真人は『ふーん?』と呟いて尻尾を揺らす。
五条先生との仲を疑われているようで、居心地が悪くなった僕は視線をそらした。
真人「まぁ、五条 悟は封印するからいいとして。
宿儺のヤツも目障りなんだよねぇ……Aの魂にも痕がつけられてたし。全部上書きしてやったけどね」
A『宿儺はどうするの……?』
僕をここにずっと閉じ込めたとしても、宿儺が復活したらこの里もバレる。
好意を寄せられているから僕を探すだろうし。
真人は『そうだ!』と、口角を上げ__
真人「宿儺も殺しちゃお!
ふふ、これで俺とAの邪魔をする奴はいなくなるねっ!」
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シュリィ(プロフ) - べいぞーさん» コメントありがとうございます!ヤンデレな真人も挟んじゃいました(៸៸᳐> <៸៸᳐)♥楽しんでくださると幸いです! (12月16日 23時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
べいぞー - まだ読み途中ですが真人がDVカレシっぽくなってきて万々歳です。ありがとうございます、ものすごくいい作品だと思っております (12月12日 14時) (レス) id: 32b6ce9bde (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - ニーなさん» コメントありがとうございます…!小説を好きと言ってもらえて嬉しいです!最後まで更新頑張りますね(^ ̳- ‧̫ • ̳^)♡ (10月26日 0時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
ニーな - このシリーズめっちゃ好きです!体調に気をつけて更新がんばってください! (10月24日 21時) (レス) @page29 id: 8c9f62e83c (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - 星雀さん» コメントありがとうございます!ぜひ続きも読んでくださると嬉しいです(៸៸᳐>⩊<៸៸᳐)♪ (10月8日 23時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年9月13日 23時