46.涎と猫 ページ46
渋谷事変の前日____
脹相たちは先に東京に帰らせた。
まだ暗い早朝、夏油と裏梅が僕たちを迎えに来て。
夏油「皆んな揃ったようだね。それじゃ、東京に帰るとしよう」
A『……あ、待って。ポメがいないかも』
真人「あの小さい犬?さっきまで庭を走ってたよ」
叢雲は横にいるし、ポメだけが見当たらなくて。
もう一度屋敷の庭に戻れば__
ポメ「__キャン!」
白猫「ニャア……」
A『あ、いたいた。式神と一緒だったんだね』
式神に遊んで欲しそうに尻尾を振っていて、白猫は困っている風だった。
A『ダメだよ邪魔しちゃ。式神には大事な仕事を頼んでいるんだから』
白猫「ニャウ」スリスリ
ポメを抱いて、白猫の頭を撫でてあげる。
式神には里の守護と__時間が来たらメカ丸を解放するよう言ってあった。
真人「いたー?」
叢雲「……主殿、本当に子狼を連れていく気か?この大きさではかえって危険だと思うが」
A『でもここに置いていくのも不安だし』
真人たちもポメを探しに戻ってきて。
叢雲の忠告通り、やっぱりポメは置いていこうかと悩んでいれば__
ポメ?「ウゥ__アオォーン……!!」
A『ポメっ!?この姿……僕が取り込んだ時の狼じゃん!』
いきなりポメが腕の中から抜け出したかと思えば。
遠吠えをしながら巨大な狼の姿に変わっていき__特級呪霊の姿である白銀の巨狼になった。
襲ってこないか僕が身構えていると。
巨狼「ガルゥ♪」ペロペロ
真人「え、なに!?すごく舐められてるんだけど!!」
夏油「これは……なるほどね。叢雲同様、失った呪力が回復して元の姿に戻ったのか」
急に姿が戻ったからビックリしていれば、巨狼は真人を舐めはじめた。
A『真人を舐めてるのは?』
夏油「さぁ?気に入ったからじゃない?」
花御「こんなに大きな狼だったのですね……てっきり犬の呪霊かと」
陀艮「ぶふぅ……」
真人「どうでもいいから止めてよ!」
凄い勢いでじゃれつかれているから遠巻きに見ていれば、涎まみれになった真人が逃げ出す。
叢雲「子狼よ、そこまでにしておけ。主殿たちを困らせてはいけない」
巨狼「ガルルゥ……」シュン
叢雲にたしなめられてシュンとする巨狼。叢雲は先輩だからちゃんと言うことを聞いてるのかな?
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シュリィ(プロフ) - べいぞーさん» コメントありがとうございます!ヤンデレな真人も挟んじゃいました(៸៸᳐> <៸៸᳐)♥楽しんでくださると幸いです! (12月16日 23時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
べいぞー - まだ読み途中ですが真人がDVカレシっぽくなってきて万々歳です。ありがとうございます、ものすごくいい作品だと思っております (12月12日 14時) (レス) id: 32b6ce9bde (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - ニーなさん» コメントありがとうございます…!小説を好きと言ってもらえて嬉しいです!最後まで更新頑張りますね(^ ̳- ‧̫ • ̳^)♡ (10月26日 0時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
ニーな - このシリーズめっちゃ好きです!体調に気をつけて更新がんばってください! (10月24日 21時) (レス) @page29 id: 8c9f62e83c (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - 星雀さん» コメントありがとうございます!ぜひ続きも読んでくださると嬉しいです(៸៸᳐>⩊<៸៸᳐)♪ (10月8日 23時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年9月13日 23時