30.猫と内通者 順平side ページ30
五条先生から1年の生徒に託された極秘の任務____
それを遂行するため、僕たちは京都を訪れていた。
A君の話は五条先生に言われた通り皆んなに話してないけど。未だに重い空気で……黙ってることへの罪悪感がつのる。
待ち合わせ場所の地下駐車場に向かえば、京都校の教師である歌姫先生が手招きしていた。
歌姫「コッチよ。五条から内通者の話は聞いてるわね?」
悠仁、恵、野薔薇、順平「「はい」」
僕たちも周囲を警戒しつつ歌姫先生に近寄る。
歌姫「多分、呪詛師と通じてるのは2人以上。
1人は上層部だろうから私じゃどうしようもない。もう1人、その上層部に情報を流してる奴がいる。
__それが今回の標的よ」
そこまで言い切ると、釘崎さんが口を開き__
野薔薇「で、京都の誰ですか?」
悠仁「釘崎はなんで分かんの!?」
野薔薇「私たち、東京側に頼むってことはそういうことでしょ?」
釘崎さんの推理に虎杖君が『スゲーな』と口を挟む。
僕も京都校側の誰かだとは思うけど……いったい誰なのかまでは分からない。
伏黒君も分からないのか、神妙な面持ちで考え込んでる中__
歌姫「……内通者は____与 幸吉。メカ丸と呼ばれている子よ」
__________
薄暗い建物の中、地下への階段をずっと降りていく。
明かりは天井から吊り下がる古い電灯か、非常用の明かりしかなくて__まるでホラー映画のような雰囲気だ。
もし隣にA君がいたら……きっと僕にくっついてる。
順平「A君もここにいたら……怖がってただろうな」
悠仁「っ!!」
順平「あっ、ごめん……!そんなつもりはなくて……」
ふとA君の名前を呟けば、虎杖君たちがビクッと反応した。
歌姫「Aって子のことは……残念だったわね」
悠仁「いえ。俺がもっとしっかりしていれば……!」
恵「虎杖、今は目の前のことに集中しろ。俺も……その分背負ってやるから」
虎杖君はA君が消えてからずっとこんな調子で自分を責め続けていた。
その様子にかける言葉もなく、僕は俯く。
本当はA君も内通者かもしれないなんて____
今の虎杖君たちに言えるわけがない。
歌姫「……着いたわ。この先にメカ丸本体、与 幸吉がいます。
あの子が怪しいんじゃなくて、誰も怪しくないから消去法でメカ丸なの」
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シュリィ(プロフ) - べいぞーさん» コメントありがとうございます!ヤンデレな真人も挟んじゃいました(៸៸᳐> <៸៸᳐)♥楽しんでくださると幸いです! (12月16日 23時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
べいぞー - まだ読み途中ですが真人がDVカレシっぽくなってきて万々歳です。ありがとうございます、ものすごくいい作品だと思っております (12月12日 14時) (レス) id: 32b6ce9bde (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - ニーなさん» コメントありがとうございます…!小説を好きと言ってもらえて嬉しいです!最後まで更新頑張りますね(^ ̳- ‧̫ • ̳^)♡ (10月26日 0時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
ニーな - このシリーズめっちゃ好きです!体調に気をつけて更新がんばってください! (10月24日 21時) (レス) @page29 id: 8c9f62e83c (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - 星雀さん» コメントありがとうございます!ぜひ続きも読んでくださると嬉しいです(៸៸᳐>⩊<៸៸᳐)♪ (10月8日 23時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年9月13日 23時