14.子狼と猫 ページ14
少しして花御も外に出ていった。
いなくなったのを見計らって、牢から外の机に向かって手を伸ばすけど__
A『うぅ……あと少しなのに届かないや』
枷の鍵は外の机の引き出しにしまわれている。
鍵さえ手に入れば術式を使って脱出出来るんだけど。
何とか手を伸ばしていたら__
叢雲「__主殿、」
A『叢雲……!?今まで何してたの、大丈夫だった?』
頭に響く叢雲の声。
こんな状況でも叢雲の声は凛としていて__
叢雲「すまない。魂の声も真人に感知されるかもしれないから今まで黙っていた。
それに……枷のせいで我も外に出られないのだ」
A『そっか。んー鍵さえ手に入れば外せるのに』
叢雲「だが、新参の子狼ならまだ呪力が小さいゆえ外に押し出すことが出来そうだ」
A『子狼……?』
叢雲から唐突に狼の話をされて僕は困惑する。
飼い猫はいるけど、狼なんて飼ってないし……狼の話をしたら恵を思い出した。玉犬たちも元気かな。
叢雲「ここに来る前、主殿が手に入れた狼型の呪霊だ。我の呪力で魂の外に押し出すから使ってやって欲しい」
A『わ、分かった!』
叢雲が黙れば__
ポンッと小さなポメラニアン?のような呪霊が現れた。
ポメ?を抱きあげれば、舌をハッハッと出しながら小さく鳴く。
ポメ?「キャン__!」
A『この子は狼というよりポメラニアンじゃない?小さくて可愛いね』ナデナデ
叢雲「ポメ……?犬の種類か?」
小さな毛玉を撫で回したいけど、いつ花御が戻るか分からないし早くしないと。
ポメラニアンみたいでも……呪霊だから身体能力は高く、すぐに机の上に飛び乗った。
引き出しから鍵を取ってくるよう言えば__
A『やった……!取ってきてくれてありがとう!いい子だね』
ポメ?「クゥーン……!」フリフリ
知能も高いのかちゃんと鍵を持ってきてくれた。
僕が褒めればポメ?は嬉しそうに尻尾を振ってみせる。
さっそく鍵を手枷と足枷に押し当てれば__ガチャンという音と共に外れた。
叢雲「__っ!やっと出てこれた……子狼もお手柄だな」
A『本当にありがとう!
術式も問題なく使えるし、早くここを出て……真人に会いに行こう』
真人とはちゃんと話し合いをしないと。
何より、羂索と2人きりなのが心配だった。
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シュリィ(プロフ) - べいぞーさん» コメントありがとうございます!ヤンデレな真人も挟んじゃいました(៸៸᳐> <៸៸᳐)♥楽しんでくださると幸いです! (12月16日 23時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
べいぞー - まだ読み途中ですが真人がDVカレシっぽくなってきて万々歳です。ありがとうございます、ものすごくいい作品だと思っております (12月12日 14時) (レス) id: 32b6ce9bde (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - ニーなさん» コメントありがとうございます…!小説を好きと言ってもらえて嬉しいです!最後まで更新頑張りますね(^ ̳- ‧̫ • ̳^)♡ (10月26日 0時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
ニーな - このシリーズめっちゃ好きです!体調に気をつけて更新がんばってください! (10月24日 21時) (レス) @page29 id: 8c9f62e83c (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - 星雀さん» コメントありがとうございます!ぜひ続きも読んでくださると嬉しいです(៸៸᳐>⩊<៸៸᳐)♪ (10月8日 23時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年9月13日 23時