24．抱擁と猫 ページ24
夏油から逃げるように帰ったあと。
家にいた真人に『話がある』と伝え、リビングで向き合っていた。
真人「話って何？Aってば最近様子がおかしいよ」
A『……隣のクラスに見える人がいたの知ってる？』
絞り出すような声で聞けば、真人は思い出すような仕草を見せ＿＿
真人「あぁ、俺のこと見えてる生徒がいたね。それがどうかした？」
A『その人、先週から行方不明なんだ。……真人だよね？やったのは』
率直に伝えれば真人は目を細めた。
重苦しい沈黙の中、ため息混じりに真人は口を開く。
真人「……そうだよ。
だけど、ソイツはAの家族でも友達でもないだろ？それを確認してどうするつもり？
まさか、俺が改心するとでも？」
『君はもっと賢いと思ってたんだけどなぁ』と、真人は僕の頬をするりと撫でる。
A『違う！っ、僕が言いたいのは……』
愛園さんからもらった連絡先を真人に見せる。
A『今日、呪術師に会ったんだ。それで……真人を祓ってくれるって言われた。
隣のクラスの人もこの連絡先に話せば祓ってくれるって……。
＿＿＿＿だけど、なんでかな……？』
紙をゴミ箱に投げ捨て、頬を撫でるツギハギの手に僕も手を添える。
A『僕、どうしても真人にいなくなって欲しくないって思っちゃった。
まだ君と一緒にいたい。
真人と一緒に生きていたいんだ＿＿』
そして、目の前の真人に思いきり抱きついた。
真人「A……」
真人からは困惑した感情が伝わってくる。
だけど、背中に手を回しそっと抱きしめ返してくれた。
真人「……ごめん俺、Aを助けたかったのに……困らせてばかりだね」
A『ううん、いいよ。何となく分かってたから』
しばらく僕たちはそうして抱き合っていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
A『そういえば、もう1つ』
真人「ん、なぁに？」
抱きついたまま顔をあげれば真人と目が合う。
A『僕にも……呪術を教えて』
真人「俺が守ってあげるからいいのに。けど、声をかけてきた呪術師が気になるからね。
いいよ。俺が手取り足取り優しく教えてあげる」
A『……！よろしく、真人先生』
真人「ははっ、先生か。いいねその呼び方♪」
とりあえず訓練は明日からにしようと話し合った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 621人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シュリィ(プロフ) - 砂さん» コメントありがとうございます！続編もよろしくお願いします(៸៸᳐>⩊<៸៸᳐)♪ (11月7日 22時) (
レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
砂 - あ、好きだこの作品…書いてくださってありがとうございますぅぅぅ、、、 (11月4日 7時) (レス) @page23 id: f5943d0623 (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - 名前変えたのでコメントを投稿し直しました、通知行ってたらすみません……！ (2023年2月7日 22時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - ハンカチモンスターさん» コメントありがとうございます。こちらこそ続編の方もよろしくお願いしますね！推してもらえて感謝です♡(˶> ̫ <^˵)੭ (2023年2月7日 22時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - 火鉢さん» 応援コメントありがとうございます。大好きだなんて嬉しいです！これからもこの小説をよろしくお願いしますね！(ˆ ̳ᴗ ̫ ᴗ ̳ˆ)♡ (2023年2月7日 22時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シュリィ | 作成日時：2022年10月5日 22時
