迷いネコ【黒尾鉄朗】 (ページ46)

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きっとこういう運命だったんだよ。

「本日はお越しいただきありがとうございます…」

駅のお店のアナウンスが流れている

私は携帯の画面を閉じる

あ「…」

早いけど集合場所行こうかな。

もう15分も経っていたたんだ…
携帯の画面を開いて閉じて。

どれだけ必死にしてたんだろう

私は荷物を取って立ち上がる。

集合場所どっちだっけ…

とりあえずこっちに行こうかな

…

プルルルルル…

あ「！」

電話だ

プルルルルル…

あ「え…」

画面にクロ先輩の名前

あ「…もしもし」

黒「やっと繋がった」

あ「やっと…？…先輩今どこですか？」

「本日はお越しいただき…」

このアナウンスどこかで…

あ「もしかして…」
黒「まだ駅にいるか？」

あ「はい…。クロ先輩は…？」

黒「…」

あ「…クロ先輩？……もしもし？」

黒「見つけた」

あ「え？」

『本日はお越しいただき…』

左耳に聞こえるアナウンスと右耳の携帯から聞こえるアナウンスが重なる

私は恐る恐る後ろを向く

ｷﾞｭｯ

あ「！」

急に誰かから抱きしめられる

黒「A」

あ「！…クロ先輩？」

黒「やっと会えた」

あ「どうしてここに？」

ツーツーツー

携帯の音が静かに聞こえる

あ「クロ先輩…見られてます……」

周り人がチラチラとこちらを気にしている

黒「…。会いにきた。」

あ「え？」

黒「A。好きなんだけど。」

思わず耳を疑う
クロ先輩の顔が見えないからなおさら

あ「冗談ですよね？」

黒「本気」

あ「！」

信じられない…

あ「わ、私もクロ先輩のこと好きです。」

黒「あぁ。」

あぁ。ってどういう意味？

黒「赤いTシャツちょうだい」

そういうとクロ先輩はわたしから離れた

あ「？……、はい」

黒「いつでもこっちこいよ。Aからしたら俺らは敵かもしれないけどな。……遠距離だな。」

あ「え？遠距離？」

黒「付き合ってくれないの？」

あ「！」

涙出そう…
私は無言で首を横に振る

黒「おい、泣くな。あと、…これからちゃんと電話出ろよな。」

今日からクロ先輩の彼女…

あ「電話出てくれなかったのクロ先輩じゃないですか」

黒「は？」

あ「…え？」

この時私たちはお互いに同じタイミングで電話をかけていたことを知った