迷いネコ【黒尾鉄朗】 (ページ33)

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「いただきまーす」

号令と共に肉に飛び付く部員たち

あ「あれ？研磨先輩は肉食べないんですか？」

孤「…うん。人多いし…」

ピロリーン

先輩は隣でゲームをしている

あ「そうなんですね…」

黒「研磨！お前も食べろ」

孤「…。」

ピロリーン

黒「おい。」

ピロリーン

黒「…」

ピロリーン

バッ

孤「あ！？」

黒「ご飯を食べろ！」

ゲームを奪われた研磨先輩はものすごく嫌そうな顔をしている

威嚇している猫みたい…

あ「…」

黒「笑うなよ？」

あ「いや、だって仲良いなって思って…親子みたいです！」

黒「俺はそんなに老けてない」

あ「誰もそんなこと…」

いや、確かに高校3年生には見えない…

黒「否定するならちゃんとしろよ」

孤「クロとAは兄弟みたいだね」

先輩は少し笑っている

あ「兄弟なんかじゃ…」
黒「兄弟じゃねぇよ。」

孤「…」
あ「？」

力強く否定するクロ先輩
そしてゲームを研磨先輩に返す

どうかしたのかな…？

黒「じゃあ、お前らも肉食いに来いよ。…あ、あと今日の夜は研磨の家に泊めてもらえ。じゃあ！」

孤「え…」

先輩は肉を取り合う群れの中に消えてしまった

あ「あのー…」

そうだった…
今日は泊まる場所なかった…

最初はクロ先輩が泊めてくれたっけ
あの時は嫌で嫌で仕方なかったけど、
今思えば楽しかったな…

孤「クロは隠しているんじゃないかな」

あ「え？」

孤「Aも気付いているでしょ？」

あ「…もしかして肩のことですか？」

今日の午前中に感じた"違和感"

孤「…うん。あれ…、Aが倒れたときクロが受け止めたのは良かったけどクロも一緒に倒れて…」

あ「え…そんな……」

こんな大事な時に…
どうしよう…

孤「大丈夫だよ。明日にはもう治ると思う。昨日より全然動けていたから。…それにしても今日の動きで気付くって、Aよく見てるね」

あ「！///」

孤「たぶんだけど、クロは部員に隠しているんだと思うよ。…バレバレだけど。リエーフは気付いてないよ」

あ「…ですよね」

今日拾えて喜んでたし。

あ「私謝りに行って来ます！」

孤「待って…。」

研磨先輩は私の腕をつかむ

孤「クロは反省しないといけないから…」

あ「？」

そういう研磨先輩の目は獲物を見つけた猫そのもの

孤「しょうがないから、今日は泊まってもいいよ」

あ「あ、ありがとうございます！…？」

どういうことだろう…