迷いネコ【黒尾鉄朗】 (ページ17)

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◇17 ページ17

それから20分

もうすぐ21時になっちゃう…

辺りは暗くなってきた

道もどんどん細くなってきたし…

こんな道通ったっけ

「あれー？１人なの？」

あ「？」

振り返ると大学生？ぐらいの男の人が３人

「迷子？」

あ「…」

怖い……

あ「大丈夫です！」

私は速歩きで来た道を戻る

「何で逃げるの？」

あ「…」

「無視？」

ガシッ

１人の男の人が私の手首をつかむ

あ「……」

どうしよう…
怖くて声が…

「俺たち今暇なんだよねー」

私はずるずると引きずられる

どうしよう…

声出ない……

黒「すみませーん。手離してもらえますか？」

あ「！」

クロ先輩…

「お前誰？……！」

男の人達は自分より身長が高いクロ先輩を見て
私の手首を離した

クロ先輩はニコニコ笑っている

「……」

男の人達は無言で去る

黒「大丈夫か？」

あ「……」

私の体はカタカタ震える

クロ先輩は私を優しく抱きしめてくれる

黒「もう大丈夫だから」

あ「…」

結局私は一言も喋ること無く、
クロ先輩と手を繋いで合宿所に戻った

黒「もう１人でも大丈夫か？」

あ「……、…はい」

合宿所に入ると声は出るようになった

東京って宮城と全然違うな…

あ「ありがとうございました…」

黒「そういえば何か買ってきたんじゃないのか？」

あ「あ…」

私はリュックからスーパーの袋を取り出す

黒「一緒冷蔵庫に入れに行くか」

食堂へ向かう途中他の部員のわいわいと話す
声が聞こえる

何か安心するな…

黒「もう夜に１人で行くなよ？」

あ「…」

黒「返事は？」

あ「！//……はい。」

黒「良くできました」

先輩は私の頭に手をのせる

…

結局先輩は部屋まで連れて帰ってくれた

私の頭のなかは今日の出来事よりも
クロ先輩のことでいっぱい…

やっぱりクロ先輩のこと好きなんだ…

何で…

あと5日しか近くにいれないのに
好きになっちゃったら辛い…

それも練習中は話すことはほとんど無いし…

だけど、好きな気持ちは変えられない。

さっきまで助けてくれたことが嬉しかったけど
急に寂しくなる

何でこんな辛いのに…