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27話 ページ29

「…そこでお前に拾われたということだ」

「待て待て待て、突っ込みたいところがいくつもあるぞ??」


話し終わった秀に待ったをかける


「え、あの時『行く』って言ってくれたんじゃないの⁉」

「会ったばかりの奴の家にそう易々と着いていけるわけないだろう」

「でも、あれ絶対『行く』って言ってた‼‼」

「気のせいだ」


私はギャーギャーと秀に詰め寄る


「抱えた時大人しかったじゃん‼‼」

「あれは、自分が猫になったショックとどうしてそうなったのか考えていたからだ」

「…てことは私の勘違い??」

「そうだ」


私は恥ずかしくなって俯く

勘違いだったのかよ…

うっわ、返事してくれるいい子じゃんって思った私をぶん殴りたい…

行き場のない羞恥心を過去の自分を殴ることによって解消していると声をかけられる


「だが、Aのおかげで俺はこうして生きているんだ。Aには感謝しているよ」

「…」

「改めて礼を言わせてくれ、助けてくれてありがとう」


物凄い飴と鞭を喰らった気分だ

改めてそうお礼を言われると何だかむず痒い


「…別にそんな大したことしてないよ」

「あの時、俺は拾われてなければ死んでいた」


秀は真剣に話す

そう断言した

死んでいたかもしれない、ではなく

『死んでいた』、と


「この世界に来てから右も左も分からない俺に居場所をくれたのは間違いなくAなんだ」

「…」

「Aにとっては大したことじゃないのかもしれないが、俺にとっては大したことなんだ。理解できずともそれだけは頭に入れておいてほしい」

「…分かった」


…こんなにも真剣に言われたらもう否定できないじゃないか

私は渋々だが頷く


「…ていうか、名前教えたっけ?」


ほんの少しだけ沈黙が訪れるが、ふと不思議に思ったことがある

確かに家に連れてきたのは私だが、自己紹介をした覚えはない

そもそも猫に自己紹介をする人がいるのだろうか

秀は、あぁ、と漏らした後、話し出す


「そのことなら色々探らせてもらった時に知った。初日に」

「ゑ」

「もしかしたら『あちら側』の人間かもしれないと思ってな」


結果は白だったが


なんて付け足しながら優雅に紅茶を飲む秀

いやいやいやいや、怖すぎん??

そんな散策してるフリして実は探ってたってこと!?

だからパソコン覗いてきたの!?!?

こっわ、こっわ!‼‼

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ぞーきん。(プロフ) - 沙代さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて何よりです!公式頑張らせていただきますね!! (2021年6月25日 8時) (レス) id: e337d5f43a (このIDを非表示/違反報告)
沙代 - 作者様の書く紳士で優しい赤井さんが好きすぎます、、!!笑笑公式頑張ってください!応援しています。(^^) (2021年6月25日 7時) (レス) id: b5b0d31a8f (このIDを非表示/違反報告)
さき。(プロフ) - 読みたいです!!!!!!!!!!!! (2021年6月24日 22時) (レス) id: bc9aead4c2 (このIDを非表示/違反報告)
やよい@小悪魔(プロフ) - 番外編読みたいっすわ!!!() (2021年6月24日 22時) (レス) id: bc461f0e02 (このIDを非表示/違反報告)
ぞーきん。(プロフ) - ねこみみさん» ねこみみさん閲覧ありがとうございます!あの方はきっと全猫が振り返るほど美猫ですよきっと…猫ちゃん飼ってらっしゃるんですか!?可愛いですよね…癒しです… (2021年6月22日 14時) (レス) id: 440cfac776 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぞーきん。 | 作成日時:2021年6月19日 16時

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