猫との暮らし始まりました

15話 ページ17

構って欲しいのかな、と思い頭を撫でようとするが、するりと逃げられる

しかし、歩こうとすると絡みついてくる


…これは


何となく察して口に出す


「もしかして、行くなって言ってるの？」


なぁん


肯定するように鳴く秀


どうやら、コンビニに行くなと言っているらしい

でもお腹空いたしなぁ…作るのは面倒だし…

うーん、と悩むこと数分


「じゃあ、一緒に来る？」


冗談交じりに聞いてみる






なぁん




「ゑ」




まさか肯定されるとは思っていなかったので固まったのは悪くないと思う









・









「いらっしゃいませ」


気だるげに響く店員の声

確かにこの時間なの嫌かもしれないけど、もうちょい嫌そうな顔隠そうよ

私は聞き慣れた入店を知らせる音を聞きながら足を踏み入れる


あの後、ドアを開けると本当に着いてきた秀

流石に入店はしていないが、外で待たせているので急ごう

ささっと商品をみて食べたいものを購入する

だってうちの子美猫じゃない‼‼攫われでもしたらどうするのよ⁉⁉⁉

私の中でモンペが騒ぐ中、最速でコンビニを出る

キョロキョロと辺りを見渡していると




なぁん




聞き慣れた声が聞こえる

声のした方を見るとそこには秀が行儀よく座って待っていた


やだ、可愛すぎる‼‼


「ごめんね、帰ろっか」


なぁん


私は秀と帰路につく


…猫の散歩してるみたい


横にぴったりとついて歩く秀は本当に猫なのかと疑う


家までの道中は特に何の問題もなかった

まぁ、そうほいほい犯罪が起きてるわけじゃないからね！


先にドアを開け、秀を中に入らせる


「ただいまー」
なぁん


そう言うと重なる鳴き声


思わず、秀を見てしまう


秀もこちらを見ていたようで目が合う


そんな秀に笑いかけながら頭を撫でる

「ふふ、秀も『ただいま』って言ったんだね」









・









・









─『人間みたい』









頭の片隅にそんな考えがちらついた

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