第六訓 ページ7
静まり返る部屋。静かなのをいい事に立て続けに言いたい事を言い続ける。
『まず、料理。ある隊士が言いました。味が薄いと、それに合わせ味付けを変えたら別の隊士が味が濃いと言い、別の隊士は塩辛いだの、俺は甘めが好きだの…うるせぇんだよ。お前らの自分らが何十人いると思ってんだ?一人一人味付けを変えて作れってか?文句言うなら自分で作れカス』
「そうだぞお前ら、もっと感謝の気持ちを持ってだな」
『そういうトシ兄は何回マヨ控えろって言えば学習するの?トシ兄のマヨ中は理解してるからどれか一品ならどれだけマヨかけても良いって言ったけど全然守らず全部にかけてるよね?人が栄養バランス考えて作ってるものなんだと思ってんの?次やったらマヨしか与えねぇからな』
「…」
俺は違うとばかりにしゃしゃり出てきたトシ兄を黙らせて言い分を続ける。
『次に洗濯。前の女中頭の人の時から何万回言えば貯めなくなる?もう一回言うけどお前ら何十人いると思ってんだ?あ?洗濯がどんだけ重労働かわかっててやってるの?なめてるの?嫌がらせ?次に掃除。この前、トイレ汚ねぇとかほざいた奴。お前らの使い方の問題だろ?こっちは朝昼晩と3回も自分達が使わない汚ねぇ便器掃除してんだよ。お前ら自分でつけたウ◯コも掃除できねぇ位低脳か?お前がウ◯コするたびに私らが入って掃除しろって事か?言ってみ?』
全員が顔を伏せて私と目を合わせようとしない。
『おら、言ってみろやこら』
「ちぃと落ち着きなせぇ。顔面と口調が一致できてねぇんだよ。あと熱ぶり返すぞ」
確かにちょっと怠さが増してる気がする…。でもこの鬱憤を出さないほうが絶対に身体に悪い。
『不満はもっとあるけど…まぁ、この一週間、皆さんも自分達で家事をして大変さが分かったでしょう?全然できてねーけどな』
「そ、それは言い過ぎじゃ…俺たちだってそれなりに…」
『もう一度言おう、お前ら何十人いる?そんだけ男がいてそれなり?女中何人だと思う?十人。女十人でやってる事を大の男が何十人がそれなりに?はぁ?それがお前らの仕事とか思ったそこの奴‼給料分の仕事で良いなら明日から食事の用意も洗濯も掃除も一日一回でいいな?わかったそうしよう。明日からそうします。お時間いただきありがとうございました』
「待って‼⁉待ってお願い‼お兄ちゃんが悪かった‼だからお願い‼いつも通り‼何でも言う事聞くから‼」
勲君に合わせて全員が私に土下座した。
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作成日時:2020年8月25日 16時