ネコになるヒト、ヒトになるネコ

チョッパー ページ20

医療室のベッドに座っていると、ちょこちょことチョッパーが寄ってくる。興味津々といった様子に首を傾げると、足早にAの隣に腰掛けた。


｢Aの身体ってどうなってるんだ？ コーラ飲んでも平気だったってことは姿は変わっても器官のつくりは変わらないのか？｣

｢姿以外は変わらないよ。あ、でも喋れなくなるから喉は違う？｣


　そう言うと、きらきらと目を輝かせた。Aからするとチョッパーもその興味の対象になりそうなものなのにと可笑しく思って少し笑う。


｢猫の姿も気に入ってるけど、やっぱみんなとしゃべれるのはうれしいな｣


　今までチョッパーだけに聞いてもらっていた話も他のみんなに聞いてもらえると思うと、心が踊る。これからのことを思い浮かべて頬を弛めていると、隣から視線を感じて顔を向ける。そこには少し複雑そうな顔をしたチョッパー。


｢もうここに話しには来なくなるのか？｣

｢えっ！ くるよ、チョッパーとおしゃべりすきだもん｣


　チョッパー聞き上手だし話上手だしね、と付け足すと嬉しくねえぞ、と嬉しそうに顔をほころばせる。Aにとってどんな姿になろうとチョッパーと喋る時間は日常に組み込まれているのだ。


｢チョッパーが嫉妬した！｣

｢う、うるせーぞ！｣


　楽しくなって少しからかうようにそう声を上げると、ポカポカと軽く叩かれる。もう一度嫉妬した！ と言うと、怒って顔を赤くしたチョッパーが追いかけてくるから、逃げるように医療室を後にした。

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