【刀剣乱舞】姉妹は刀の付喪神になった【成り代わり】1

夜明け前【妹】 ページ13

ごそりと、隣りで何かが動いた。
何だろうと思って見上げたら、姉さんが起きていた。

どうやら、外の風に少し当たってきたらしい。ちょうどまた、横になるところのようだった。


(なんか、姉さん嬉しそう……?)


何かいいことでもあったのだろうか。
話しかけようとして、それはやめた。

なんだか、私が入り込む隙間が無いように感じてしまって、ちょっとだけ寂しくて、だから代わりに、ぴとりとくっ付いた。


「?」

「……ちょっとだけ、こうしてていい?」


姉さんはちょっとだけ驚いた顔をして、それからふわっと優しく、花が咲くように笑った。

頭に手を置いてゆっくりと撫でてくる。
その優しさと暖かさが、寂しさを埋めていくのを感じながら、また目を瞑った。


(ここに、兄さんもいたらなあ……。)


きっと、兄さんも優しくおやすみと声をかけながら、ふかふかのあったかい毛布を私に掛けてくる姿が浮かんでくる。

事故で足を悪くしてからは、もっともっと優しくしてくれた兄さんは私の自慢で、憧れ。

もし、神さまがいるのなら。
また、兄さんに会いたいな……。



『おやすみ、智夜(ちよ)。』

(おやすみなさい、兄さん、姉さん……。)




夜は、ゆっくりと明けていく――



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