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「おーい北斗、口説くなよ」
「あ、樹」
いつもより低い声がして誰かと思ったけど、ただ機嫌の悪い樹だった。怠げに壁に寄りかかっているだけで、なんだか様になる。
「口説いてないよ。お話ししてただけ」
「勝手にお話しすんな」
「樹の許可が必要なの？」
「うん。Aは、俺のだから」
「Aさん、樹のになった覚えある？」
「ないよ」
「おい！」
樹は、調子のいいことを大きな声で言うから、時々恥ずかしくなる。
「じゃあね二人。Aさんまた話そうね」
「あ、うん。じゃあね」
「余計なこと言うなー」
松村くんは、さっき貸した本を片手に図書室を出て行った。樹は、まだ不機嫌な様子だ。
「先生に怒られてたの」
「授業中寝てばっかじゃ成績落とすぞって脅し。テストで点数取れてりゃいいだろっつーの」
「点数取れてるの？」
「え？取れてない」
「じゃあダメじゃん」
樹は大きな溜息を吐きながら隣に座った。その距離がやたら近く感じてちょっと離れたら、すかさず「何で？」と引き戻されてしまった。腕を引かれて、椅子ごとゴロゴロと樹のすぐ隣に戻る。
「なんか、近くない？」
「北斗とこの距離だったろ」
松村くんと同じ距離でも私は、その相手が樹だと、なぜか恥ずかしくなるのだ。なんだろう。この感じ。
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Ne子(プロフ) - aさん» 嬉しいです…ありがとうございます！！ (2月29日 21時) (
レス) id: 58b12061de (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - Ne子さんのお話全部可愛くて面白くてきゅんきゅんします！これからも更新楽しみにしてます！ (2月27日 0時) (レス) id: 4b25b1d56f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ne子 | 作成日時：2024年2月2日 0時
