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「はぁー、疲れた。勉強しすぎて頭いてぇわ」
「ほぼ喋ってただけじゃん」
「んなことねぇよ」
樹は真面目に勉強をするかと思いきや、1問解いて10分喋ってを繰り返していた感じで、勉強しすぎな訳がなかった。お陰で私も集中できなかったけど、美味しいパフェが食べられたし、明日から頑張ればいいかなぁーという楽観的な気持ちになっている。
「じゃあ、私バイトあるからここで」
喫茶店を出てすぐの歩道の上。薄暗くなった空と見慣れた街の風景の中にいる樹は、私にとってまだ異質なものに思える。いつか、慣れたらいいな。
「あ、お前バイトしてんの」
「うん」
「どこで？」
「ちょっと行ったとこのカフェ」
本当にちょっと行ったところだ。突き当たりを曲がれば、すぐ看板が見える。家と駅の間にある、小さなカフェ。
「そっか」
「来ないでよ？」
「行かねぇよ。じゃ、帰り気をつけろよ」
「うん。ありがと」
「おう。じゃあな」
どちらからともなく背中を向けて、歩き出す。
振り返って見れば、駅の方へと歩いていく樹の背中が徐々に小さくなっていく。まだやっぱりこの街に似合わないな。樹が住んでる街の駅前は、どんな感じなんだろう。思い出深いファミレスとか、コンビニとか、あるのかな。
知りたいことが沢山浮かんでくるけど、どこにもぶつかることなくただ消えていくだけだ。
「明日な！」
「…？」
「ってちゃんと言いたいタイプ？別れ際」
ぼーっとしている間に、樹もこちらを見ていた。びっくりして、何も言えない私を、遠くで笑っている。
「なに、名残惜しいの？(笑)」
「違う………」
「え？なんつった？」
「明日ね！」
「…おう、明日」
思いっきり手を振れば、振り返してくれた。もう一度背中を向けて歩き出す樹を確認してから、私も背を向けた。変な胸の高鳴りが、まだ収まらない。
「……好き、なのかな」
小さく声に出したって、誰も答えをくれなかった。
続く (更新停止中)
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Ne子(プロフ) - aさん» 嬉しいです…ありがとうございます！！ (2月29日 21時) (
レス) id: 58b12061de (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - Ne子さんのお話全部可愛くて面白くてきゅんきゅんします！これからも更新楽しみにしてます！ (2月27日 0時) (レス) id: 4b25b1d56f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ne子 | 作成日時：2024年2月2日 0時
