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やっぱり、チョコレートパフェは豪華でレトロで、食べる前からテンションが上がった。はしゃぐ私を、樹は目の前で笑ってる。
「あ、スプーン一個しかついてない」
「良いだろ、一個で」
「良くないでしょ」
ベルを鳴らそうとした手を阻止された。そのままその手にパフェ用の細長いスプーンを置かれて、はい召し上がれ、と。
「照れてんの、今更」
「照れてない」
断じて照れてないけど、一口目は譲ろうとスプーンを渡したら、樹はなんの躊躇もなく生クリームとチョコアイスを食べた。そして、「はい」と、次は私の番、ということか。
「照れてんのー？」
「違うから」
投げやりになって、生クリームのついたブラウニーを掬って食べる。
「美味い？」
「うん。甘い。美味しい」
「間接キスだ」
「わざわざ言わないで」
いつも、私の弱点を見つけてはここぞとばかりにすぐいじる。そう言うところが、樹の狡いところの一つだ。
「照れてんの？」
「しつこい。もう、勉強する」
元々は、勉強しに来たんだ。今回のテストは私もやばいんだから。ファミレスでただスイーツを楽しむ時間なんて、ないんだから。
「おいすんな勉強！」
「テスト勉強しに来たんでしょ？」
「そうだっけ？」
「勉強教えてって言ったの樹だよ」
「そうだっけ？」
「もういい。帰る」
「ウソウソ！勉強するから！」
私を宥める両手も、笑顔も全部、”あいつら”と話してる時みたいに楽しそうだ。楽しそうで、ムカつく。
「数学のさー、こないだ教わった公式マジで意味分かんないんだけど、」
「どこ？」
「これ」
教科書を開けば、すぐ真面目モードにもなれるところも狡い。私が一度説明したらすぐに理解して応用できるようになるから、授業中寝てなければ絶対もっと成績が良いはずだ。
深夜までゲームするのやめたら？と提案したら、「ゲームがなきゃ俺生きてけないの」と本気の顔で言われて、納得は出来ないけど、あまりにも本気そうだから、仕方なく私が引いてあげた。
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Ne子(プロフ) - aさん» 嬉しいです…ありがとうございます！！ (2月29日 21時) (
レス) id: 58b12061de (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - Ne子さんのお話全部可愛くて面白くてきゅんきゅんします！これからも更新楽しみにしてます！ (2月27日 0時) (レス) id: 4b25b1d56f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ne子 | 作成日時：2024年2月2日 0時
