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慎「えっ樹なにそれ！可愛いお弁当箱！」
昼休みの階段は、俺らが集まろうと意識せずとも自然と集まってしまう場所になっていた。いつからだろう。一年の時半ばくらいから。
「あー、Aが作ってくれた」
ジ「もう隠すのやめたんだね」
「…まぁな」
最近はなんだか、北斗と仲良さげに話すAを見るだけで、腹が立つ、ようになってしまった。だからこの好意は、もう隠さないことにした。こうすれば、他の誰かを制圧できるかもしれないから。…何言ってんだろ。
慎「えーめっちゃうまそう。卵焼きちょーだい！」
「はぁ？あげるわけねぇだろ」
ジ「俺ハンバーグ」
「ばかか」
ジ「えっマジでこんくらいでいいから」
親指と人差し指をくっつけて少しの程度を表すジェシーは、その大きな身体全体を縮こませるから、ちょっと面白い。でも絶対、
「あげねーよ」
慎「じゃあお米一粒！」
「お前おにぎり食ってんじゃん」
慎「でも食いたいの！」
「ダメだってば。何もあげませーん」
拗ねて足をバタつかせた慎太郎の右足から、上履きが飛んでいって階段下に着地する。踵踏んでるからそんなことになるんだよ。
慎「ケチ！」
ジ「じゃあ俺もAさんに作ってもらおー」
慎「じゃ俺もー」
「お前らマジで何がしたいの」
って、俺も一口くらいあげればいいんだろうな。だけど、この弁当箱は、俺以外の誰の手にも渡したくなかった。
慎「何がしたいのって、樹がちゃんと人好きになるの初めて見たから気になるんだよね？」
ジ「うん。相当好きみたいだし」
「…そうでもないけど」
実際、クラスメイトに軽く噂されてることは知ってるけど、でもいつもみたく悪い気がしないのは、俺のこの気持ちが本当だからなんだろうな。Aのことが、好きだから。
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Ne子(プロフ) - aさん» 嬉しいです…ありがとうございます！！ (2月29日 21時) (
レス) id: 58b12061de (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - Ne子さんのお話全部可愛くて面白くてきゅんきゅんします！これからも更新楽しみにしてます！ (2月27日 0時) (レス) id: 4b25b1d56f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ne子 | 作成日時：2024年2月2日 0時
